2010年9月25日(土)「しんぶん赤旗」

国税庁の非常勤 改善

3カ月更新から最長1年へ

大門議員が指摘


 税務署で働く非常勤職員約6300人の契約が他省庁より短い3カ月で更新されていた問題で、国税庁は10月から、この細切れの雇用を廃止し、最長1年の任期とします。人事院による非常勤職員制度の見直しを踏まえた措置。日本共産党の大門実紀史参院議員が3月の国会で早急な改善を求めていました。

 国税庁は10日、非常勤職員らに対し、雇用を見直すと説明。全国税労働組合(全国税)によると、改善される内容は、(1)3カ月更新を廃止し、年度の範囲内で最長1年の任期とする(2)年末に2週間以上あった雇用中断期間を設けない(3)この結果、年次休暇の繰り越しが可能となり、1年を通じて取れるようになる―などです。

 国税庁の非常勤職員の多くはこれまで、事実上、通年雇用されていながら、3カ月契約を繰り返し更新。「署長の胸三寸」といわれる雇い止めなど不安定な雇用と低賃金に置かれてきました。

 今回の改善を受け、非常勤職員からは、「不安が一つ取り除かれ、少し明るく暮らせるような気がしてきました」と喜ばれています。一方、雇用が継続されるかどうかの不安のほか、「月8日の勤務で4万円にもいかない給料。生活費の足しにもならない」などと、いっそうの改善が求められています。

 大門参院議員は3月25日の財政金融委員会で、「働く者の立場に立ち、せめて他省庁並みの半年契約などに早急に改善すべきだ」と追及。菅直人財務相(当時)は「実態を認識できた」とのべ、「改善できるところについては改善していきたい」と答えていました。

 雇用期間の延長や雇い止めの撤回、継続雇用を求めてきた全国税は、今回の見直しに対し、山本浩二書記長の談話を発表し、「『3カ月更新』と雇用中断期間の廃止を歓迎し、引き続き非常勤職員の均等待遇を求める」と表明しました。また、「税務署の派遣労働者や請負労働者の労働条件改善に取り組んでいく」と語っています。





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