2010年10月2日(土)「しんぶん赤旗」

日本共産党国会議員団総会での

志位委員長のあいさつ


 日本共産党の志位和夫委員長が、1日の党国会議員団総会でおこなったあいさつは次のとおりです。


写真

(写真)議員団総会であいさつする志位和夫委員長=1日、衆院第1議員会館

 みなさんご苦労さまです。開会にあたって、あいさつを申し上げます。

尖閣諸島問題――歴史的・国際法上の領有の根拠を堂々と主張すべきだ

 まず、尖閣諸島問題についてのわが党の立場について、のべておきます。この問題についてのわが党の立場は、第2回中央委員会総会の幹部会報告、昨日(9月30日)の笠井質問で、表明しているとおりです。沖縄の尖閣諸島が、日本固有の領土であることは、歴史的にも、国際法上も明りょうだということを、わが党は早くから明らかにしてきました。

 一番の問題は、日本政府が、そのことを、国際社会と中国政府に対して、理を尽くして主張しているとはいえない。ここに問題があるのです。先日の国連総会にさいしても、首相の口から明確な形で理を尽くして、わが国の領有権についての主張が発信されたとはいえません。この点を、昨日の質疑で笠井議員がただしたところ、外務大臣から「これまでの政府の対応は、大いに反省しなければならない」との答弁がありました。これは非常に大事なやりとりだったと思います。

 わが党は、日本政府に対して、尖閣諸島の領有権について、歴史的にも国際法上も明確な領有の根拠を持っているということを、中国政府および国際社会に理を尽くして堂々と主張することを求めます。

 同時に、領有権の問題についての意見の相違があったとしても、沖縄など日本の漁業者の安全操業が確保されなければなりません。この問題を主題とした交渉をきちんとおこない、安全操業(確保)の責任を果たすということを求めます。

 さらに中国政府に対しては、こういう問題が起こったさい、事態をエスカレートさせない冷静な、抑制した態度を取るということが大切だということも求めたいと思います。

 2中総の報告でも話しましたが、領土にかかわる紛争問題で何よりも大切なのは、千島問題でも、竹島問題でも、尖閣問題でも、歴史的、国際法上の道理という問題です。それをきちんと主張する外交が、いま求められているということを強調したいと思います。(拍手)

「綱領の生命力」――古い政治と国民の利益との「ねじれ」を大本からただす

 この間、私たちは、2中総を開き、参議院選挙での後退という悔しい事態を踏まえ、全党の力を集めて総括と教訓、情勢と方針を明らかにしました。

 私は、中央委員会総会の結語で、2中総の二つの幹部会報告を貫く大きなテーマは二つあるとのべました。一つは、「綱領の生命力」というテーマです。もう一つは、「国民との結びつきを生かし、広げる」というテーマであります。

 この国会では、ぜひこの2中総の精神を生かした活動を、全党のみなさんと心を一つに、国会議員団が展開しようではないかということを訴えたいと思うのです。

 第一の「綱領の生命力」というテーマで申しますと、いま日本には、この経済危機をどう打開するのか、財政危機をどう打開するのか、米軍基地問題をどう解決するのかなど、解決が迫られている大問題が山積しているわけです。

 こういう国政の大問題に対して、綱領の立場に立って、「日本共産党はこうやって解決すべきだ」という建設的な方策を示していく。そして政府の立場をただしていく。そういう論戦をつうじて、「米国・財界中心」の政治から、「国民が主人公」の新しい日本を目指す日本共産党の日本改革の方針が浮き彫りになってくる。こういう論戦に取り組むよう努めたいと思います。

 よく、「ねじれ国会」にどう対応するかという議論がされますが、民主党と自民党の間に、政治の中身では「ねじれ」はないのです。消費税増税を法人税減税と一体にすすめようという方針も、普天間基地の辺野古「移設」という方針も、まったく同じではありませんか。それでは、どこが「ねじれ」ているかというと、民主党と自民党が共通の土俵としている「米国・財界中心」の古い政治と、国民の利益が「ねじれ」ている。日本共産党は、この「ねじれ」を大本からただすという立場で、大いに意気高く奮闘するものです。(拍手)

「国民との結びつきを広げる」――あらゆる分野での悲鳴と要求を受けとめて

 第二の「国民との結びつきを生かし、広げる」というテーマでも、国会議員団が全党と力をあわせて、新しい分野、新しい人々との結びつきを広げる活動に、大いに取り組みたいと思います。

 この間も、あらゆる分野で暮らしの悲鳴がおこるもとで、新たな対話、新たな結びつきが広がっています。

 経済危機のもとで、今年に入ってからだけでも、非正規雇用労働者の「解雇、雇い止め」が4万人近くに達しようとしています。そういうもとで、労働者派遣法の抜本改正、最低賃金の大幅引き上げ、働く貧困層(ワーキングプア)をなくしていくという共同の取り組みが広がっています。

 この間、各地の大学の学長さんと、全国で懇談がすすんでいます。共通して出されるのは、大学予算の一律1割削減では、教育も研究も立ち行かない、ひいては日本の国は立ち行かなくなるという、強い危機感です。政治の姿勢の転換が必要だとの要望が、どの大学の学長さんとの懇談でも出されました。

 JA全中、農協のみなさんとの対話と共同も、選挙後さらに広がってきています。JA全中から米価暴落への対策の要請が寄せられました。民主党政権は、戸別所得補償を導入しましたが、コメの需給調整や価格対策をいっさいとらない。米価暴落をそのままにしている。強い怒りがあります。米価暴落の大きな原因である過剰分を政府が責任をもって買い上げることなどを、緊急措置として強く求めていかなければなりません。

 経済危機に急激な円高が追い打ちをかけ、中小企業や地場産業から、これまで体験したことのない深刻な事態がすすんでいるという訴えが、全国どこでも寄せられています。この間、国会議員団としても、各地の中小企業や地場産業との懇談をすすめてきていますが、ここでも新たな対話と共同を大いに広げていきたい。

 医師会との関係でも、後期高齢者医療制度の廃止、診療報酬の引き上げ、患者の窓口負担の軽減、国保の立て直し、厚生年金・社会保険病院などの公的病院を存続・充実させていくなど、対話と共同がすすんでいます。

 さらにもう一点いいますと、いま芸団協(日本芸能実演家団体協議会)――芸術・文化団体のみなさんは、日本の文化予算というのはあまりに貧しい、国家予算の0・11%であり、これをせめて0・5%にという署名に取り組んでおられます。わが党にも要請にこられて、共同の運動をやろうということになりました。「事業仕分け」の対象にされ、文化予算が大幅に削減されるという危機感のなかで、そういう動きが起こっています。

 このように、選挙後の短い期間をとってみても、国民生活のあらゆる分野で悲鳴が起こっている。いまの政治との矛盾やきしみが起こっている。そういうなかで、国会議員団が、国民各層、各分野のあらゆるところに出かけていって、対話をし、懇談をし、結びつきを広げ、その要求をしっかり受け止めて、国会論戦に生かす。この活動でもがんばっていきたいと思います。

 「綱領の生命力」を生かした論戦、そして「国民との結びつきを生かし、広げる」ということに貢献する議員団活動、この両面で2中総の精神を生かした国会議員団活動を、大いに意気高くともに力をあわせてやろうではないかということを訴えまして、ごあいさつといたします。(拍手)





■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp