2010年10月5日(火)「しんぶん赤旗」
尖閣問題
日本の領有は歴史的・国際法的に正当
日本政府はその大義を主張すべき
志位委員長 日本共産党の見解を発表
日本共産党の志位和夫委員長は4日、国会内で記者会見し、「尖閣諸島問題 日本の領有は歴史的にも国際法上も正当――日本政府は堂々とその大義を主張すべき」と題する日本共産党の見解を発表しました。志位氏は、これに先立ち、仙谷由人官房長官と首相官邸で会談し、首相あてに「見解」を手渡しました。(見解全文)
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会見で志位氏は、尖閣諸島周辺での漁船衝突事件のような事態を二度と起こさないためにも、日本政府が領有権の正当性をしっかり主張していく必要があると指摘。日本共産党は1972年に日本の領土であることは明らかだとする見解を発表しているが、今回の「見解」では、日清戦争(1894年〜95年)にかかわる歴史的経緯の検証もあらためて行い、党としてさらに踏み込んだ見解を明らかにしたとのべました。
志位氏はまず、尖閣諸島が近代までいずれの国の支配も及んでいない「無主の地」であり、1895年1月の閣議決定で日本領に編入され、その後、日本の実効支配が続いてきたことをあげ、歴史的にも国際法上も日本の領有権は明らかだと強調しました。
志位氏は、「中国側の主張の最大の問題点は、中国が1895年から1970年までの75年間、一度も日本による領有について異議も抗議も行っていないという事実だ」と指摘。“尖閣諸島は、台湾に付属する島嶼(しょ)として中国固有の領土であり、日清戦争に乗じて日本が不当に奪ったものだ”という中国側の主張が成り立たないことを、日本への台湾・澎湖列島の割譲を決めた日清講和条約(下関条約、1895年4月)とそれにかかわる交渉過程の詳細な検証を踏まえて明らかにし、「日本による尖閣諸島の領有は、日清戦争による台湾・澎湖列島の割譲という侵略主義、領土拡張主義とは性格がまったく異なる、正当な行為だった」とのべました。
志位氏は、「わが党は過去の日本による侵略戦争や植民地支配にもっとも厳しく反対し命がけでたたかってきた政党だが、尖閣諸島に対する日本の領有権は、侵略とは別の問題であり、まったく正当だということは間違いない歴史的事実だ」とのべました。
さらに、志位氏は、日本側の最大の問題は、1972年の日中国交正常化以降、日本の領有の正当性を訴えるべき機会が何度もあったにもかかわらず、旧政権から民主党政権にいたるまで、国際社会や中国政府に、道理を尽くして領有の正当性を主張してきたとはいえないことにあると強調。「日本政府に、これまでの態度をあらため、歴史的事実と国際法の道理にそくして尖閣諸島の領有の正当性を、国際社会と中国政府に堂々と主張する外交努力を強めることを求める」とのべました。
同時に、「中国政府に対しても、今回のような問題が起こった場合、事態をエスカレートさせたり、緊張を高める対応を避け、冷静な言動や対応を行うことを求める」と表明しました。
志位氏は、今後、この「見解」に明記された日本共産党の立場を、駐日大使館を通じて、中国を含む各国政府に伝える活動を行うことを明らかにしました。