2010年10月5日(火)「しんぶん赤旗」
旧日本軍、平頂山の住民虐殺
生存者ら、井上議員と懇談
平頂山事件の生存者の一人・楊玉芬さん(87)と長男の張毓傑さん(63)ら11人が4日、日本共産党の井上哲士参院議員を訪問し、懇談しました。
同事件の生存者・遺族は、▽日本政府が同事件の事実と責任を認めて、生存者・遺族に公式に謝罪する▽謝罪の証しとして、日本政府の費用による謝罪の碑の建立と供養の陵園の設置▽事件の事実究明と次世代への継承―を求めています。
「平頂山事件」は、1932年9月16日、日本軍が中国東北部の遼寧省撫順市の平頂山で約3000人の住民を機銃掃射で虐殺した事件です。楊さんは当時8歳。母は殺されましたが、自身は奇跡的に父、妹と生き残りました。「写真を撮る」と集められた住民が機銃掃射で次々と殺された模様を話すと、井上議員は「つらいことだが、ぜひ長生きして、事実をたくさんの人に訴え続けてほしい」と励ましました。
周学良撫順平頂山紀念館館長は、事件の生存者はわずか4人となり、いずれも80歳を超えていることを話しました。日本共産党のこれまでの国会内外での協力に感謝をのべるとともに、日本政府の謝罪など三つの要求の早期実現のため力をかしてほしい、と訴えました。
井上議員は「歴史の真実に向かい合うことが、本当の友好になると思う。平頂山事件での日本政府の責任は明白であり、政府がその事実と責任を認めて謝罪せよとの要求は当然のこと。党派を超えて要望の実現を国に求めていきたい」と話しました。
同日、参議院議員会館内で、国会議員と平頂山事件の生存者が三つの要求の実現を考える「院内集会」が開かれ、市民・支援者ら約80人が参加しました。
日本共産党の井上参議院議員も出席しました。