2010年10月15日(金)「しんぶん赤旗」

「ねじれ国会」の論戦は 参院予算委

尖閣問題 議論は皆無 武器輸出 意気投合

自・民 「対決」演出も


 先の参院選で野党が多数となった参院で初めての予算委員会が14日、開かれました。自民、民主両党が質問に立ったものの、政策に大きな違いがないため、言葉だけをあげつらうなどで審議を10回も中断。対決姿勢を演出する姿が目立ちました。


「柳腰」問答

 自民党の山本一太議員は尖閣問題で、仙谷由人官房長官が「弱腰外交ではなく柳腰外交」としたことを取り上げ、「(柳腰は)女性を表現するときにしか使わない言葉で外交政策を説明する言葉としては不適切だ。撤回してください」と質問。

 仙谷氏は「日本はしなやかでしたたかな外交を行う以外にこの21世紀を生き抜いていくことはできないと思っているので撤回をするつもりはまったくありません」と応じました。肝心の領土問題の議論は皆無でした。

謝意を表明

 武器輸出三原則見直しや大企業支援策では“意気投合”のやり取りになりました。

 自民党の猪口邦子議員は、武器開発は国際的に共同開発されているなどとして武器輸出三原則の見直しを提案しました。北沢俊美防衛相は、「こうした質問は大変ありがたい」と謝意を表明。「防衛相として新しいものをつくる提案をしている」と述べ、見直しに強い意欲を示しました。

 さらに、自民党の林芳正議員は、労働者派遣法の改正や保険業への規制強化、最低賃金の引き上げ、温室効果ガス25%削減によって企業の海外流出による雇用の空洞化を招くと述べ、「アンチビジネス(反経営的政策)をやめるつもりはないか」と迫りました。

企業に配慮

 菅首相は、派遣労働の規制緩和による低賃金労働者の増大は「小泉・竹中(構造)改革の象徴」だと旧自公政権をやり玉にあげ、派遣法改正に取り組む姿勢を示そうとしましたが、細川律夫厚労相は政府の派遣法改定案について、企業側に「配慮した」と答弁。同案が“ぬけ穴”だらけの実態を自ら認めました。

 海江田万里経済財政担当相も、「税制改革のなかで、『アンチビジネス』に対する懸念も払拭されるよう努力していかなければいけない」と発言。大企業支援という点では、自民党と違いがないことを強調しました。





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