2010年10月17日(日)「しんぶん赤旗」
薬害被害もう二度と
北海道で初 根絶へフォーラム
全国薬害被害者団体連絡協議会(薬被連)は16日、札幌市の北海道大学で第12回薬害根絶フォーラム「薬害被害の教訓は生かされているのか」を開きました。北海道では初めての開催で、薬剤師や大学教員、学生など260人が参加しました。
九つの薬害被害を当事者が報告しました。
脳腫瘍(しゅよう)の手術で移植された、人工硬膜からの感染でヤコブ病を発症した息子を、24時間在宅介護している匿名の女性は「今は無言無動状態の息子が『僕、何も悪い事してないのに、何でこんな病気になるの』と言った最後の言葉が耳に焼き付いています。二度と薬害の被害者を出さないで」と涙をこらえながら訴えました。
薬害訴訟原告ら5人が「薬害被害の教訓は生かされているのか」を討論しました。
スモンの会全国連絡協議会の中西正弘氏は「補償金のための保険など、企業防衛という発想で薬害の『救済』をしてきたことが、次の薬害を生んだのではないか」と指摘。サリドマイド訴訟原告で薬剤師の佐藤嗣道氏は「薬の再評価制度が形骸(けいがい)化している。医薬品行政を監視する第三者機関の設置が必要です」と話しました。
薬被連は1999年10月に結成され、サリドマイド、HIV、薬害ヤコブ病、スモン、MMR(新三種混合ワクチン)被害、薬害筋短縮症、陣痛促進剤、薬害肝炎、イレッサ薬害の被害者が「薬害根絶の実現」をめざして活動しています。