2010年10月22日(金)「しんぶん赤旗」
年収100万円未満3割
全労連が高齢者介護労働調査
全労連はこのほど、「高齢者分野の介護労働実態調査」中間報告を発表しました。ホームヘルパー、施設・通所のケアワーカーなど7855人の回答をまとめたものです。
中間報告によると、女性が83・9%を占め、男性の介護職場への進出が遅れていると指摘しています。
雇用形態は、非正規雇用が56・6%、女性に限ると61・7%でした。年収は平均で206万8400円、100万円未満が27・9%で3割近くを占め、200万円以下が52・2%、300万円以下が77・1%となり、介護労働者がワーキングプアの実態にあることが示されました。また、月給者の月給平均は18万6300円で、15万〜20万円未満は27・3%、20万〜25万円未満は23・4%。時間給は平均で1050円、1000円以上が67・5%を占めました。
介護労働者の週平均労働時間は32時間で、このうち40時間以上が25・1%、30〜40時間未満が47・8%でした。ヘルパーの週労働時間は平均11・6時間。15時間未満は75%でした。今年3月の残業時間の平均は9・86時間で、残業の内容は「記録・書類の整理」55・9%、「介護・看護など通常業務の延長」45・2%。37・7%が、不払い残業が「ある」と回答しています。
夜勤の問題では、「夜勤者の人数が少なくて不安」が44・2%に達し、「一人で担当することが不安」31・6%、「緊急事態に対応できない」30・1%と深刻な実態が明らかになりました。
介護職員処遇改善交付金について、効果が「ある」が13・1%に対し、「あるけど不十分」「ない」は、あわせて40・5%で、交付金の効果が限定的であることがわかりました。
自由記載欄には、「安心・安全・ゆとりある介護を提供できるよう、勤務体制・人員配置を見直して」「介護報酬額を引き上げてほしい」「必要な人に必要なサービスが提供されていない」など、切実な声が寄せられています。
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