2010年10月23日(土)「しんぶん赤旗」
派遣法の抜け穴告発
高橋議員、資生堂例に追及
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日本共産党の高橋ちづ子議員は22日の衆院厚生労働委員会で、資生堂鎌倉工場の請負会社アンフィニで不当解雇された女性労働者が、実態は派遣なのに請負を装う「偽装請負」で働かされてきたことを告発し、労働者派遣法の抜本改正を求めました。
高橋氏は、政府の改定案で、違法派遣があった場合、派遣先が労働者に直接雇用を申し込んだとみなす規定が盛り込まれたことに関し、その中で「いわゆる偽装請負」とは何か、と切り出しました。
会社側は、派遣、請負と交互に雇用形態を切りかえましたが、長い人で8年間も同工場で働き続けてきた実態を示し、違法な偽装請負だとただしました。
厚労省の小林正夫政務官は、派遣か請負かの判断は、発注者から労働者への指揮命令があるかどうかによると説明。労働者派遣と請負との区分基準・告示37号により判断していると答弁しました。
高橋氏は、告示37号によると適正な請負は作業が自己完結していなければいけないが、同工場のラインでは、めまぐるしく製造品の種類を切り替えていると指摘。何をどれだけつくるかは、月ごと週ごとの情報把握と製造計画が必要で、資生堂の指示をまったく受けずに自己完結するだろうかと述べ、形式だけ適法にするやり方を正して、“抜け穴”のない派遣法の抜本改正をと求めました。
資生堂は「ワークライフバランス(仕事と生活の調和)」で厚労省から表彰されているが、解雇された女性らの給料は正社員の半分だったと述べ、「差別でしかない」と強調しました。