2010年10月27日(水)「しんぶん赤旗」
手を携え森林再生を
全国森林組合が大会
志位委員長あいさつ
森林所有者の全国組織の全国森林組合連合会(全森連、組合員160万人)は26日、東京・九段会館で第27回全国森林組合大会を開きました。全国から約1100人の森林組合長や林業関係者が参加。林業は経営の悪化や後継者不足、放置林の増加など困難な問題が山積しているとし、地域の実態にあった支援策と、環境税創設を求める決議を採択しました。大会には8政党が出席。昨年に続き招かれた日本共産党の志位和夫委員長のあいさつ(別項)に、何度も拍手が起きました。
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全森連の林正博会長はあいさつのなかで、民主党政権の「森林・林業再生プラン」(2009年12月)で木材自給率を50%に引き上げる方針にふれて、1千万ヘクタールにおよぶ人工林資源の有効利用が課題であり、「本格的な国産材時代の政策にむけ新たなスタートを切ろう」と呼びかけました。
志位委員長はあいさつのなかで、手を携えて森を守り、林業再生のために力をつくすと決意を表明。「木材自給率50%」の目標を実現するうえで、木材価格の底上げをはかることとともに、「地域の実態を考慮しない画一的で効率一辺倒のやり方では林業の再生は果たせないのではないでしょうか」と訴えると、「その通りだ」とのかけ声と拍手がおきました。
大会では、高知県森林組合連合会の戸田文友会長が、全森連として政府の再生プランを検討するなかで懸念の声が寄せられていると紹介。「再生プランは市場原理の導入による画一的で生産効率一辺倒であり、森林所有者や組合員の理解が得られるのか、きわめて強い懸念がある」と話しました。
志位委員長のあいさつ
みなさん、こんにちは(「こんにちは」の声)。ご紹介いただきました日本共産党の志位和夫でございます。第27回全国森林組合大会のご盛会おめでとうございます。昨年の大会にひきつづき、みなさんの大会にお招きいただき、ありがとうございます。
昨年の大会での出会いをきっかけにして、私たちはこの間、全国各地で「森林・林業の再生を考えるシンポジウム」にとりくんでまいりました。そのとりくみのなかで森林組合のみなさんから貴重なご意見やご提言をいただいたことに、この場をお借りして心からのお礼をのべるとともに、ともに手を携えて森を守り、林業再生のために力をつくす決意を申し上げるものです。
木材価格を底上げする政策が必要
政府は、昨年末に発表した「森林・林業再生プラン」で「木材自給率50%」をかかげました。問題は、この目標をどうやって実現するかです。私は、二つのことが大事だと考えます。
一つは、森林所有者のみなさんに、再造林できる価格を保障することです。立木価格はスギで1立方メートル当たり2654円まで落ち込んでおります。計算してみると5寸角6メートルの立派な通し柱の立木価格がわずか425円です。(どよめき)
木材価格を底上げする政策が必要ではないでしょうか(拍手)。わが党は、地方自治体で広がっている地元産材利用への補助制度を国が支援するなど、適正な木材価格を保障するよう国が責任をはたすことを強く求めます(拍手)。また、作業道の整備をはじめ林業予算を抜本的に拡充する―減額ではなく増額することを、政府に強く求めていくものです。(拍手)
森林組合と行政の連携の発展が不可欠
いま一つは、林業再生のうえで森林組合が果たしている中心的な役割を、行政がしっかりと認識し、組合と行政の連携を発展させていくことです。
日本の森林は、地域ごとに異なる歴史、文化、自然的、社会的条件をもっており、地域の実態を考慮しない画一的なやり方、効率一辺倒のやり方では、けっして林業の再生は果たせないのではないでしょうか。(「その通り」の声、拍手)
森林組合のみなさんは、1907年の組合創設以来、地域に根ざし、地域の実態にかなった林業を育てるために多面的な役割を果たされてきました。50年、100年という長期の見通しを必要とする林業再生をはかるためには、100年を超える歴史をもつみなさんが蓄積されてきた知恵と経験は絶対に欠かすことができません。森林組合と行政の連携の発展が、林業再生のために不可欠です。(拍手)
みなさんの大会が、森林組合のいっそうの発展にむけて大きな成果をおさめることを願ってごあいさつとします。(大きな拍手)
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