2010年10月30日(土)「しんぶん赤旗」

事業仕分け

見直し基準問われる

紙議員指摘 国会で作業を


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(写真)意見表明する紙智子議員=29日、参院議運委

 参院議院運営委員会は29日、行政刷新会議の「事業仕分け人」に国会議員が加わっていることが、議員の兼職禁止を定めた国会法39条に反するのではないかという自民党の問題提起を受けて、各党が意見表明しました。

 国会法39条は、三権分立の観点から議員が大臣・副大臣・政務官や国会議決に基づく行政委員以外の公職につくことを禁じています。

 自民党は「行政の中立性からみてもおかしい」「憲法にも反する」と主張。政府・民主党は「(行政刷新会議は)閣議決定で設置したもので行政組織ではない。仕分け人の判定はあくまでも意思表明」(古川元久官房副長官)と弁明しました。

 伊藤誠参院法制局長は「(憲法の理念に関し)懸念があることは承知している」と発言しました。

 日本共産党の紙智子議員は、「事業仕分け人」の判定が行政の最終決定でないという点からみると「ただちに公務員とは言い難いと思われる」と述べる一方、「その身分に法的裏づけがないことや権限のあいまいさがさまざまな疑念を生んでいる」と指摘しました。

 その上で、「行政の『無駄』の見直しは大事な問題」とし、(1)短期的な評価で「効率性」を問うやり方は科学技術の基礎部門にはふさわしくない(2)医療・保育など公共性の高い分野を効率至上主義で評価するのは正しくない(3)福祉はお金がかかりすぎるとして消費税の議論を始める動きは許されない―などと「事業仕分け」の問題点を列挙。「財界・大企業優先を根本的に見直し、国民の福祉や暮らし拡充のために税金をどう使ったらいいかという基準で考えるべきだ。軍事費や大型公共事業にもメスを入れるべきだ」と述べました。

 紙氏はまた、「国会において、行政の無駄や予算の使われ方を徹底的に見直す作業を行うべきだ」として、参院行政監視委員会等で集中的な議論や公聴会などを提案しました。

 議院運営委員会は10人未満の会派には割り当てがなく、日本共産党はオブザーバーです。同委員会でオブザーバー発言が認められたのは初めてのことです。





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