2010年10月30日(土)「しんぶん赤旗」
スパイ衛星
運用省庁から天下り
塩川議員追及 補正予算計上見直せ
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日本共産党の塩川鉄也議員は29日の衆院内閣委員会で、情報収集衛星(スパイ軍事衛星)の開発費が膨れ上がっている実態をとりあげ、省庁から受注企業への「天下り」など癒着があると追及、事業の見直しを求めました。
政府は現在、4機を運用。内閣官房、警察庁、防衛省、公安調査庁、外務省が運営し、これまでの総経費は7500億円にのぼります。
塩川氏が示したのは、運用省庁から衛星の受注企業である三菱電機への「天下り」です。1999年度から2008年度まで防衛省から44人、内閣官房などから22人が「天下り」しています。
塩川氏は、大規模災害に対応するとしながら、消防庁が衛星運営委員会から外されている事実を指摘。小野正博内閣衛星情報センター次長が「安全保障上の問題があるので、限定している」と答えたのに対し、塩川氏は「実態は軍事スパイ衛星だ」と指摘しました。
塩川氏は、政府は「衛星の寿命」を理由に新たな衛星の研究・開発を始め、補正予算では188億円を計上していると指摘。衛星の運用実績が明らかにされず、5年の寿命ももたずに使用不能となったことも検証されていないことも示し、「(政府と軍需産業の)癒着の構造にメスを入れ、事業を見直すべきだ」と迫りました。
仙谷由人官房長官は「天下りなのか癒着なのかよく調べないと分からない」と答えるにとどまりました。塩川氏は、「運用実績も示せない衛星に予算を投入するのは許されない。宇宙の軍事利用拡大は許されない」と述べました。