2010年11月6日(土)「しんぶん赤旗」
“温暖化大干ばつで日本飢餓”
TPP加入やめよ 参院委 紙氏、自給率減を警告
日本共産党の紙智子参院議員は5日の農林水産委員会で、菅政権が検討している環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)加盟が日本の農林水産業を破滅に導き、地球温暖化による地球規模の大干ばつがもたらす食料危機から日本国民を守れなくなると指摘し、同協定への参加は認められないと主張しました。
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紙氏は、関税撤廃で日本の食料自給率が14%になるという農水省の試算を示し、「10年後の食料自給率50%をめざす閣議決定とTPP加入は本当に両立するのか」と追及。鹿野道彦農水相は、「決まったわけではない」として、それ以上の言及を拒否しました。
紙氏は、「国民に対して不誠実だ」と批判。その上で、米国大気研究センターが10月19日付で発表した地球温暖化による世界的な干ばつ予測を紹介しました。予測は、2030年までに米中西部の多くで深刻な干ばつに見舞われ、今世紀末には中国、東南アジア、アフリカ、南米、オーストラリアの大部分が「深刻な干ばつ」に見舞われる可能性があるとしています。
紙氏は、TPP加入で食料自給ができなくなれば、「日本は真っ先に飢餓に追い込まれる」と追及。鹿野農水相は、異常気象の影響は「いろんな意味で総合的判断の材料だ」と認めました。
また紙氏は、国内総生産の1・5%しか占めない第1次産業(農林水産業)が他の98・5%の産業を犠牲にしているという前原誠司外相の発言は、農業を衰退させてきたことへの無反省を示していると批判。鹿野氏は、第1次産業は「単なる産業としての役割だけではない」「生物多様性の保全などに寄与している」と述べ、前原外相の認識の誤りを事実上認めました。