2010年11月8日(月)「しんぶん赤旗」

政党の値打ちは何によってはかられるか

第40回赤旗まつり 志位委員長が記念演説


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(写真)記念演説をする志位和夫委員長

 7日、第40回赤旗まつりの記念演説で志位和夫委員長は、「民主か、自民か」という「二大政党づくり」のなかで、目の前の「政権選択」にかかわらない政党を選挙の選択肢から排除する動きを批判。「そんなモノサシで政党の本当の値打ちがはかれるだろうか」と問いかけ、だれがみても当然の“五つのモノサシ”で考えてみたいと切り出しました。

どんな旗印・綱領をもっているか

 第一は、どういう旗印――綱領をもっているのかです。

 志位氏は、党の綱領とは「国民への根本の公約」だと指摘したうえで、「二大政党」に言及。民主党が、迷走のあげく普天間問題でも消費税増税でも「政治とカネ」でも自民党とうり二つの政党となった根本に政権党なのに「綱領がない」という大問題があると指摘しました。

 自民党も「新綱領」をつくったが中身がなく、“アメリカ従属、大企業中心”(「二つの異常」)という本当の綱領は、恥ずかしくて一度も公然と掲げられないでいるとのべました。

 これにたいして、日本共産党が半世紀にわたって掲げてきた旗印―「二つの異常」を正し、「国民が主人公」の日本をつくるという道が、日本の行き詰まりの打開の道だということがはっきりしてきたと力説。大企業が内部留保を増やしつづける一方、働く人の賃金が下がり続けている世界にない日本経済の実態、「県内移設」路線が破たんした沖縄米軍基地問題を例に解明しました。

 このなかで志位氏は、沖縄県知事選でのイハ洋一候補勝利のための全国の連帯を呼びかけました。

どんな歴史をもっているか

 第二は、どういう歴史をもっているのかというモノサシです。

 志位氏は、「なぜ一度も名前を変えずに活動できたのかをみてほしい」とのべ、戦前、他のすべての政党が推進した侵略戦争に命がけで反対を貫いた歴史を紹介。「党の歴史は今に生きる」ことを「韓国併合」100年と尖閣諸島問題を例に語りました。

 志位氏は「韓国併合」100年では、日本共産党が「『韓国併合』条約は不法・不当」と表明し共感を呼んだ一方、日本政府はいまだ「すでに無効」としかいえないことを指摘。

 尖閣問題では、日本が日清戦争で不当に奪ったのは台湾と澎湖(ほうこ)列島で尖閣諸島は正当な領有だと明確な論を立てたことが政府関係者やマスメディアから反響を呼んでいることを紹介し、その根底に、日本の侵略戦争や植民地支配に日本共産党が最も厳しく反対してきた歴史があることを、歴代政府の姿勢と対比しながら強調しました。そして、「今の私たちのたたかいも必ず未来に生きて働くという展望と誇りを持ち、ともに奮闘しよう」と訴え、拍手に包まれました。

外交力をもっているか    

 第三は、外交力をもっているか、です。

 志位氏は、中江要介元駐中国大使が日本を守るのに大切なのは“自分の頭で考える外交力”だと語っていることにふれながら、21世紀の世界は「道理の力」と「自主独立」に立った外交力こそ重要な時代となっていると指摘しました。

 自ら参加したNPT(核不拡散条約)再検討会議で核兵器廃絶のための働きかけを紹介しながら、日本共産党の野党外交が日本と世界の平和運動と連帯すれば国際政治を動かす外交力を発揮できると強調。

 日ロ領土問題でも日本政府に問われているのは、道理に立った外交力だとのべ、戦後処理の不公正を正す原点に立って本格的な交渉に踏み出すことを強く求めました。

 また、12月1日からの第6回アジア政党国際会議(カンボジアのプノンペンで開催)に出席することを報告しました。

自由と民主主義への態度   

 第四は、自由と民主主義への態度です。

 志位氏は、旧ソ連や外国の例を持ち出しての「社会主義=独裁」論が広く流布されているが、マルクス、エンゲルスが目指したのは「人間の自由の全面的な実現」であり、日本共産党の綱領にも「社会主義・共産主義の日本では、民主主義と自由」は「いっそう発展させられる」と明記していると話しました。

 注目を集めている中国における人権問題にかかわって党の態度を表明。中国の政治体制の問題では言論による体制批判には言論で対応する体制への発展を展望する重要性を率直に伝えてきたことを紹介しました。加えて、中国も賛成したウィーン宣言(1993年)で明記された二つの原則―(1)自由と人権の発展は各国の「多様な歴史的、文化的および宗教的背景を考慮」すべきこと(2)同時に人権と基本的自由を「助長し保護する」ことは「体制のいかんを問わず、国家の義務である」こと―が人権保障にかんする国際政治の到達点だと指摘し、「中国がこれらの国際的到達点に立ち、人権と自由の問題に対して国際社会の理解と信頼を高める対応をとることを強く望む」と表明しました。

草の根の力で政治を動かす  

 第五は、草の根で国民と結びつき、草の根の力で政治を動かすというモノサシです。

 志位氏は「しんぶん赤旗」が「生きる力と希望を運ぶ新聞」となっていることを力説。昨年の選挙学会総会で、自民党機関紙「自由民主」の編集長が、「1974年の橋本幹事長の『赤旗のような機関紙にしろ』という命令は今に至るも実現できていない」と語ったことを紹介しました。さらに、「赤旗」の配達が全国12万人超の党員・支持者の努力で支えられ、トラックの走行距離で地球1周分に相当するとのべ、「宝の活動」と謝意を示すと、拍手が起こりました。

 志位氏はまた2万2千の党支部と一体に活動する3千人の地方議員団が日本の政治を動かす力を発揮していることを指摘。住民とともに子どもの医療費助成を全国に広げ、非情な国保行政にも風穴を開けつつあること、住宅リフォーム助成を提案し広げてきたことを紹介しました。

 その上で「政党としての大道を歩むこの党を大きくすることにこそ日本の未来がある」とのべ、いっせい地方選必勝への協力を呼びかけました。





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