2010年11月10日(水)「しんぶん赤旗」
農業と両立できない
高橋氏が追及 TPP参加するな
衆院予算委
日本共産党の高橋ちづ子議員は9日の衆院予算委員会で、政府が「協議開始」を閣議決定した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について、菅直人首相の言う「農業再生との両立」などはありえず、「協議にも参加すべきではない」と主張しました。
高橋氏は、関税の原則撤廃を目指すTPPへの参加を検討すること自体が、「守るべきものは守る」という政府の方針の転換だと批判。鹿野道彦農水相は「参加すると決めたわけではない」としながら、「自由貿易を進めるなら国内対策も必要になる」と答弁しました。
高橋氏は、農水省は2007年の当時から、関税をゼロにしたら食料自給率が12%まで下落し、9割の農家を切り捨てる「農業構造改革」を行っても立ち行かないことを認めていたと指摘。「米価暴落では、政府の言うとおりに規模拡大を進めてきた農家ほど影響を受けている」と述べ、関税をなくせば戸別所得補償も際限がなくなると強調しました。
高橋氏は、経済界は「乗り遅れるな」「日米同盟が主導権をにぎる」とあおっているが、日米関係がカギだと指摘。牛肉、オレンジ、ミニマムアクセス(最低輸入機会)米の受け入れなど、これまでの日米間の農業貿易は対等ではなく、もっぱら日本が市場開放を迫られる関係だったと批判。「こういう力関係のなかで、たとえ協議でも、交渉の枠組みに入るということは、自由貿易をたてに譲歩と規制緩和を迫られるだけだ」と強調しました。