2010年11月12日(金)「しんぶん赤旗」
トヨタ 里山破壊計画
COP10の地 市田氏、政府の姿勢ただす
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日本共産党の市田忠義書記局長は11日の参院環境委員会で、国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が先月開かれた愛知県内で、トヨタ自動車が計画している、希少生物が生息する広大な里山を切り開く「テストコース」建設を取り上げ、政府による貴重な里地里山の保全を要求しました。
同計画は、豊田、岡崎両市にまたがる総事業面積660ヘクタール(東京ドーム約141個分、皇居約6個分)の広大な里山に、「テストコース」や研究開発施設を建設するもの。予定地内は森林や棚田が広がり、日本でのみ繁殖して、推定で約1000羽しかいないミゾゴイや、サシバ、ハチクマなど多くの絶滅危惧(きぐ)種の生息が確認されています。
市田氏は、生物多様性損失の最大要因は「開発・改変」にあると指摘。COP10で、里山をモデルに生態系を守る「サトヤマ・イニシアチブ」を提案し採択させた日本政府として、同計画の重大性をどう認識しているのかとただしました。
松本龍環境相は、「地方主権」を盾に「県が適切にするものと考えている」との答弁に終始しました。
市田氏は、「重大な環境破壊の恐れがあると判断しても、愛知県とトヨタにだけ任せておいてよいのか」と批判。「なにが『サトヤマ・イニシアチブ』か。抜本的に見直すべきだ」と要求しました。
参院環境委員会は11日、生物多様性保全のための関係閣僚による基本方針策定や、市町村による「地域連携保全活動計画」の作成、自治体やNPO(特定非営利活動法人)などによる協議会の設置を制度化する「里地里山法案」(生物多様性保全活動促進法案)を、日本共産党を含む全会一致の賛成で可決しました。
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