2010年11月13日(土)「しんぶん赤旗」
深刻介護 相談次つぎ
「家族は心労」「入所できぬ」 電話フル回転
「腰痛があり、介護保険を受けようと思ったが、『市役所へ歩いて来られるならだめだ』と言われた」「年金生活なので有料施設には入所できない」―。11、12の両日、東京都内で行われた「介護なんでも110番」に寄せられた相談からは、介護現場の深刻な実態が浮き彫りとなりました。
中央社保協と全労連、介護をよくする東京の会が取り組みました。
電話相談には、ケアマネジャーらが応対。4台の電話はふさがったままの状態が続き、受話器を置くとすぐに次の電話がかかってきます。
北海道室蘭市の女性は要介護5の父親(103)と2人暮らし。「1月から3泊4日のショートステイを希望しているが、父は利用を拒否。どうにかしたい」と相談しました。
介護士として入所施設の認知症フロアで働く東京都の50代女性は「利用者さんが転倒しないかなどの目配りが欠かせないので、気が休まることがない。血圧が上がって吐き気をもよおしたこともある」と過酷な現場の実態を話しました。
全国福祉保育労働組合の國米秀明副中央執行委員長は、「介護保険制度の『保険あって介護なし』の実態を解決しないといけない。高齢者を対象にした“福祉”が次々、消えてしまっている。実態をつかんだ上で、国に高齢者福祉の充実をせまっていきたい」と語りました。また、「保育サービスに介護保険制度と同様の直接契約を持ち込んだら、今回と同様の相談が広がるのではないか」と危ぐしました。
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