2010年11月16日(火)「しんぶん赤旗」
中小企業緊急保証
打ち切らず継続を
衆院予算委 笠井氏要求 首相「検討する」
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日本共産党の笠井亮衆院議員は15日の予算委員会で、中小企業が不況にあえぐなか、資金繰り支援策として実施されている「景気対応緊急保証」の打ち切りは許されないとただしました。菅直人首相は「趣旨は共感するところも多い。大畠章宏経済産業相に来年度予算に向けてさらに検討をお願いしたい」と答弁しました。
景気対応緊急保証は、金融機関が行う中小企業向け融資を信用保証協会が100%保証する制度で、全業種が対象。保証枠36兆円に対して23兆円、約127万社が利用。ところが、政府は3月末で打ち切り、小口零細企業保証などに切り換えるとし、補正予算案では「借り換え保証」を拡充するとしています。
笠井氏は、「中小企業をめぐる情勢は緊急保証を打ち切っても大丈夫という状況にない」と指摘。小口零細企業保証では対象は限られ、従業員や保証残高の要件から外れると、一般保証になってしまうと強調。「一般保証では、部分保証となるため金融機関が融資を拒否するケースが増えることは必至で、中小企業の資金繰りの命綱を丸ごと奪うことになる」と批判しました。
笠井氏は、2009年度第2次補正予算編成時に財務相だった菅首相が、緊急保証制度を1年間延長し、対象を全業種に拡大したことに言及。政府の緊急総合経済対策でも「景気をめぐる環境の厳しさが増している」としていることにもふれ、中小企業の苦難に心を寄せ、決断するべきではないかと迫り、首相の答弁を引き出しました。