2010年11月16日(火)「しんぶん赤旗」
宮本議員が賛成討論
官房長官不信任案 与党と社民が否決
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衆院は15日、仙谷由人官房長官に対する不信任決議案の採決を行い、民主、国民新党の与党と社民党の反対多数で否決しました。日本共産党の宮本岳志議員は採決に先立ち賛成討論に立ちました。
宮本氏は、明らかになった中国漁船衝突事件のビデオ映像の内容からみて、非公開にしておくべきものではなかったと指摘。ビデオの扱いについて責任ある方針をもたなかった政府の対応こそ問題だったと強調しました。その上で「早い段階で公開を判断せず、無責任な対応を続け、事態の混乱を招いてきた内閣官房長官の責任はきわめて重い」と述べました。
また、政府がビデオ流出に乗じて国家公務員の守秘義務違反に対する罰則強化や、「国家機密法」制定の検討までいい出しているのは、筋違いの話で、「表現の自由、国民の知る権利を侵害する動きとして容認できない」と述べました。
さらに宮本氏は、民主党政権に対し、財界・大企業は応援するが、国民の暮らしを支援する有効な手だてを講じず、外交でも米軍普天間基地の辺野古「移設」の日米合意推進、日本農業を破壊するTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加の推進など、「どれをとっても自民党政権との基本的違いを見いだすのは不可能となった」と批判しました。
15日の衆院本会議は馬淵澄夫国土交通相に対する不信任案も否決しました。
補正予算案質疑7時間遅れ開始
衆院予算委
衆院予算委員会は15日、中国漁船衝突事件のビデオ問題をめぐり、民主党が参院で公開に賛成しながら衆院で反対していることを説明できず、自民、公明などが理事会を欠席しました。結局、民主党の鉢呂吉雄国対委員長が、ビデオ公開を求める参院予算委員会の申し入れを「尊重し、直ちに(政府に)対応させる」と表明し、補正予算案のしめくくり質疑が7時間遅れで開かれました。
自民党は午後7時すぎ、尖閣諸島問題での仙谷由人官房長官と馬淵澄夫国土交通相の対応が不適切だとして不信任決議案を衆院に提出。与党は本会議で反対多数でこれを否決(日本共産党は両氏の不信任決議案に賛成)しました。
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