2010年11月19日(金)「しんぶん赤旗」
発病不安 国は償って
B型肝炎未発症患者 差別に憤る
全面解決行動2日目
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全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団は、同訴訟の早期全面解決を求めた座り込み2日目の18日、厚生労働省前でビラ配布やリレートークを行い、都内パレードなどに取り組みました。
「今、声をあげなければ」と実名を公表して10月に大阪訴訟の原告に加わった有川哲雄さん(64)は未発症のキャリアー(持続感染者)です。損害賠償の対象からキャリアーを除外するという国の被害者切り捨てに居ても立ってもいられずに上京しました。
徳島県阿波市に住む有川さん。同県最初の原告で、患者団体「徳島肝炎の会」の会長を務めています。
「長い期間いつ発病するか分からない不安を抱えながら生活してきました。家族も含めて負った精神的な苦痛と経済的な負担について国は償うべきです」と実名を公表した思いを話します。
有川さんがB型肝炎ウイルスに感染していることが分かったのは職場での血液検査でした。幼少期の集団予防接種で注射器が使い回しされたことが原因でした。
「30代、40代の若さで亡くなっていく。小学生の子どもを残して逝った肝炎患者。悔しいです。注射器の使い回しは危険だと分かっていて厚生労働省は連続使用した。仲間は国の失政で殺された」
薬害肝炎訴訟ではキャリアーにも賠償をしたのにB型肝炎被害者には賠償を拒み、命の重さに格差をつける国のやり方に怒りを感じている有川さん。「国が作りだした病気です。財源を理由に切り捨てるとは承服できません」
この日の行動には、日本共産党の高橋ちづ子衆院議員もかけつけて激励しました。