2010年11月25日(木)「しんぶん赤旗」
博物館・美術館支援を
国家補償法案可決 宮本議員求める
衆院委
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24日の衆院文部科学委員会で、展覧会主催者が借りた美術品に損害が生じた場合に国が損害補償する「展覧会における美術品損害の補償に関する法律」案が、全会一致で可決されました。
これに先立つ質疑で日本共産党の宮本岳志議員は、国民の美術鑑賞機会の拡大に資すると評価した上で、美術館・博物館の充実にむけた取り組みを求めました。
宮本氏は、美術館・博物館について、文科省の委託調査で「人的にも財政的にも厳しい」とされ、資料を購入できない博物館が5割を超え(2008年度)、地方の公立美術館も開館日を減らしたり、作品の修復ができなくなっていることを指摘。職員数も諸外国と比べても少なく、「美術館・博物館の基礎が揺らいでいる。国として必要な支援をすべきだ」と求めました。高木義明文科相は、「重く受け止めている。国として必要な予算を確保しなければならない」と答えました。
宮本氏は、公的施設の管理を民間企業などに委ねる指定管理者制度について美術史家の高階秀爾(たかしな・しゅうじ)氏が「美術館になじまない」と指摘していることにもふれ、「指定管理者制度そのものが問題だが、美術館などについてはやめるべきだ」と強調しました。
高木文科相は指定管理者制度について、「長期的な見通しや後継者の育成ができないとの意見がある」と問題点を認め、「国として、指定管理者制度を導入するさいのガイドラインを作成する必要がある」とのべました。
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