2010年11月28日(日)「しんぶん赤旗」
誇り持てる介護職場へ
高齢者施設職員ら研究集会
「介護保険制度の10年を検証し、誇りと自信を持って働ける福祉ケアを考えよう」と27日、東京都豊島区内で、第10回職員研究交流集会が始まりました(29日まで)。主催は、21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会(21・老福連)。高齢者介護施設職員や施設長、利用者など330人が参加しました。
廣末利弥代表幹事が基調報告しました。介護保険制度の相次ぐ改悪が、国・自治体の高齢者福祉での公的責任を後退・形骸(けいがい)化させてきたことを批判。2012年の介護保険制度改定に向けて厚生労働省社会保障審議会介護保険部会がとりまとめた意見書について、「国の公費負担増は見送る一方、保険料など利用者の負担を大幅に増やし、軽度の要介護者を給付対象からはずす内容だ」と、問題点を指摘しました。
高齢者のくらしと人権を守る介護のあり方について、シンポジウムが行われました。
1982年に脳血栓で倒れ、現在、特別養護老人ホームに入所中の女性(80)の家族は、利用者・家族の心に寄り添うケアの充実のために介護現場の環境や職員待遇の改善が必要だ、と訴えました。都内の地域包括支援センターの男性職員は、高齢者の置き去りや家族による虐待の背景に、経済的困難や家族の崩壊などの問題があることを話しました。
社会福祉法人新生会の原慶子理事長が、職員が創造的に生きいきと働ける職場づくりについて記念講演しました。
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