2010年11月29日(月)「しんぶん赤旗」
県民主人公の県政へ
開発優先のゆがみただす日本共産党
茨城県議選 志位委員長の訴え
日本共産党の志位和夫委員長は28日、茨城県議選の応援演説で、どの党を伸ばせば県民の暮らしよりも無駄な開発を優先する県政のゆがみをただすことができるのかを明らかにしました。
5期目に入った橋本昌県政は知事選のときだけ対立候補が出たりするものの、選挙が終わると県議会の自民、民主、公明、みんなの各党はそろって知事の予算案や議案に賛成する「オール与党」です。志位氏は「県政の間違いをただして住民要求実現のために頑張る野党は日本共産党2議席だけです」と訴えました。
茨城県は全国8位の財政力で財源に恵まれており、その気になれば全国8位の福祉を実現できるはずです。ところが、県民1人当たりの民生費は全国46位で税金が福祉に使われていません。「どの党が伸びればこのゆがみをただすことができるか」と三つの点で訴えました。
暮らしの願い実現する党は
第一は「県民の暮らしの願いを実現する先頭に立つ党はどこか」ということです。
県民生活を圧迫する国民健康保険料の問題では、全国平均が1人当たり年間9万円なのに対し茨城県は9万5千円ととりわけ高く、4人家族では全国平均より2万円も高くなると告発。保険料が高すぎて払えず保険証を取り上げられ、窓口負担10割の資格証明書に置き換えられた世帯は10年間で2倍(6600世帯)になっていると語りました。
志位氏は高すぎる国保料の大本には歴代政権による国保への国庫負担削減とともに、茨城県が市町村国保への県からの補助をまるまる廃止し、高すぎる国保料に追い打ちをかけたことがあると批判しました。
さらに民主党政権が市町村独自の軽減措置までなくそうとし、それが実行されれば県内の4人家族は平均2万8千円の引き上げになるとし、「国保への県費補助を復活させ、1世帯1万円の引き下げを実現しよう」と訴えると、聴衆から拍手がわきあがりました。
関東で一番高い茨城県の水道料金の問題では、県の水道料金が平均で20立方メートル3691円と神奈川県1921円の2倍にもなっている実態を示し、「じつはこの水道料金は値下げをすることができます」と指摘しました。
茨城県の水道事業は2009年度で28億円も黒字を出しており、党県議団が議会で黒字額を示して値下げを迫って県から「できるだけ値下げに還元したい」と答弁を引き出したことを紹介。加えて、県が人口400万人になると過大に想定し霞ケ浦導水事業、八ツ場ダムなど必要のない水源開発をすすめてきたものの実際には300万人にも達せず「水余り」になっていることをあげ、「無駄な巨大開発は見直し・中止し、そのお金を値下げにまわそう」と呼びかけました。
自民、民主、公明、みんなの各党が11月議会で水道料金値下げを求める県民の請願にそろって反対し、採択を主張したのは共産党だけでした。「共産党を伸ばして関東一高い水道料金を下げよう」と訴えました。
無駄づかいやめさせる党は
第二は「無駄づかいをやめさせる力をもつ党はどこか」ということです。
茨城県が不動産ブローカーのように大量に土地を買い上げて無謀な土地開発事業をした結果、水戸の偕楽園122個分、1594ヘクタールもの土地が売れ残って借金は4239億円にのぼり、住宅供給公社が破産しました。
志位氏は、自民、民主、公明は巨額な損失を処理するために20年間、毎年100億円をつぎ込む計画に賛成し、ツケをすべて県民に押し付けようとしていると厳しく批判。この事業でもうけたのは融資で利益をあげた銀行だとし、「責任の全くない県民にツケまわしとは許せない。銀行にこそ相応の負担を」と強調しました。
100億円の使い方を見直せば、国保料1万円の値下げ、中学校までの子どもの医療費無料化、保育園・特別養護老人ホームの待機者ゼロなど県民の願いを実現する施策が、あわせても70億円程度でできると訴えると、うなずきながら聞く人の姿がありました。
発言数ダントツ実績豊かな党
第三は「県議会でしっかり仕事をする党はどこか」ということです。
「県議の第一の仕事は議会で発言することです」と志位氏。前回県議選直後の07年から今年3月議会までの議員1人当たりの発言数は日本共産党が88・5回とダントツで、公明45・3回、民主33回、自民22・4回だとし、党県議団の働きが群を抜いていることを示しました。
県民の運動と力をあわせて後期高齢者医療制度の保険料の値上げストップや、子どもの医療費助成を今年10月から小学校3年生まで拡大するなど党県議団の豊かな実績を紹介し、「共産党を伸ばして県民が主人公の県政をつくろう」と呼びかけると、聴衆は大きな拍手でこたえました。