2010年12月4日(土)「しんぶん赤旗」
臨時国会閉会
汚い言葉の応酬の中で政党の大道示した党は
衆参で与野党が逆転したもとで開かれた176臨時国会が3日、閉会しました。2カ月余の短期間ながら、各党の姿がいや応なく浮き彫りとなりました。
「猛省を求める」(「毎日」社説)との声があがるほど、自民、民主両党は国民そっちのけの醜い応酬ばかりが目に付きました。
自民党議員が「原稿をみないで答弁せよ」と非難すれば、「それなら質問も原稿をみないで」とやり返す菅直人首相。「子どものけんかみたい」との投書が新聞に載るほど、言葉だけの応酬にうんざりした国民が多かったに違いありません。
期待を裏切る
政権交代から1年。国民の期待を裏切り、「自民党化」と指摘される民主党の転落ぶりを示すような光景が何度も見られました。
「命あるうちに救済を」と訴えるB型肝炎被害者に対して、和解金ねん出のため「増税もありうる」と暴言をはいた野田佳彦財務相。
県民の総意である米軍普天間基地の「県内移設反対」を求めて上京した沖縄県名護市の稲嶺進市長らの面会さえ拒否した菅首相。
最後には、「私たちのことを私たち抜きに決めないで」との障害者の叫びを無視し、障害者いじめの自立支援法を「延命」させる法案を自民、公明と一緒に強行しました。
「(答弁は)二つの言葉だけいえばいい」との柳田稔前法相の暴言と併せて、民主党の「自民党化」への転落ぶりは目を覆うばかりです。
自民党はどうか。
尖閣や千島の領土問題では歴代政権の責任は棚上げし、政府の対応をあげつらうだけ。消費税増税や沖縄・米軍新基地建設をけしかけ、「アンチビジネス(反企業的)」(石破茂政調会長)だとして労働者派遣法の改正などにも反対。問責可決を理由に、とうとう審議さえ放棄しました。
口汚い言葉と審議拒否は、野党時代に民主党が使った常とう手段です。政策に違いがない政党には「禁断の麻薬」(マスコミ記者)でも、国民にとってこの党の存在意義があるのかが問われます。
「スジを通す」
これに対し、国民の願いを代弁して政治の根本転換を迫ったのが日本共産党でした。
「一番スジが通っている」「勉強させてほしい」との声が与野党や政府関係者を問わずあがったのは偶然ではありません。
「国民への根本の公約」(志位和夫委員長)である綱領と、侵略戦争反対を貫くなど誇るべき歴史を持ち、国民とつながり草の根の力で政治を動かす、政党としての大道を歩んでいる政党だからできることです。
国会は閉会しましたが、日本共産党の真価を遺憾なく発揮した論戦を力に、世界と日本の政治に働きかけ、平和と国民生活を守る新たなたたかいはすでに始まっています。(深山直人)
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