2010年12月4日(土)「しんぶん赤旗」
学校納付金 滞納ふえる
授業料無償化後も… 重い初年度負担
日高教調査
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日本高等学校教職員組合(日高教)は3日、修学保障調査の結果を発表しました。公立高校の授業料無償化制度が開始されたものの初年度の保護者負担金は依然重く、学校納付金の滞納率が上がっていることがわかりました。
アンケートは10月、公立高校の授業料担当事務職員や教員を対象に実施。25道府県2政令市の200校(うち定時制53校)が回答しました。
保護者の初年度負担金(入学金、PTA会費、制服、教科書など)の平均額は全日制が19万2820円、定時制が9万8957円でした。
9月期における昨年度の授業料の滞納率と今年度の学校納付金(PTA会費、後援会費など)の滞納率を比較すると、全日制は4・3%から5・3%、定時制は10・6%から16・7%と上昇しています。10%以上の滞納率をもつ学校が全体に占める割合は、全日制が12・3%から21・3%と倍増し、定時制が51・1%から74・5%と上がっています。
滞納率の上昇について、(1)学校納付金を納める回数が、月に1回程度から年に1、2回に変更されて一度に払う額が多くなったこと(2)昨年度まで授業料減免と連動してPTA会費や後援会費などの減免措置を行っていた学校がそれらの制度を廃止したこと―を理由にあげています。
日高教の坂本次男副委員長は、2011年1月から特定扶養控除が縮小されることによる保護者の税負担が高まり、滞納がますます増加することが予想されると指摘。「文科省が概算要求している給付制奨学金制度を本予算化させるとともに、小中学校までにとどまっている就学援助制度を高校でも制度化する必要がある」とのべました。