2010年12月6日(月)「しんぶん赤旗」
介護保険
給付抑制を批判
横浜で集会 実態に即した制度に
第4回介護保険と介護労働を考えるつどいが5日、横浜市で開かれ150人を超える参加者が集まりました。実行委員会主催。
導入後10年が過ぎた介護保険制度の議論に社会保障審議会の委員としてかかわった、ノンフィクション作家の沖藤典子さんが講演。検討の内実や直面する問題点を話しました。
65歳以上が支払う保険料(全国平均)は、当初の2911円から現在は4160円と、負担が重くなった一方で介護給付は削減されてきた事実を指摘。「軽度者の要介護・要支援を制度から外すとんでもない議論もある」として、給付を抑制する方向でしか議論を進めない行政の姿勢を批判し、国費投入の必要性を訴えました。
分散会では、介護労働者の劣悪な処遇に関し、「介護する側の立場をもっと応援することで、自信とモチベーションが高まり、利用者にとってもより良い介護につながるのでは」との問題提起がなされました。
散歩同行や同居人がいる場合の生活介助が、自治体によっては給付されないなど、実態に即さない制度の在り方にも討議が集中。利用者にとってより良い介護を実践すると同時に、要求をあげて改善してきた経験が語られました。
地域での「互助」や「共助」の美名のもとに、公的責任を後退させる動向を危ぐする意見が相次ぎました。
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