2010年12月9日(木)「しんぶん赤旗」
大日本印刷グループ3社
二重の偽装請負を告訴
元労働者 大企業の責任問う
さいたま地検に
印刷業大手の大日本印刷(DNP)の子会社DNPファインエレクトロニクスで働いていた男性(46)が8日、二重偽装請負だったとして、ファイン社などを職業安定法44条(人貸しの禁止)違反で、さいたま地検に刑事告訴したことを明らかにしました。男性はDNP本社も密接に関与しているとし、「法律を犯せば大企業も罰せられ、きちんと働けばまともな賃金がもらえるしくみになってほしい。DNPとグループ会社に社会的責任を果たさせたい」と述べました。
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労働局は昨年指導
告訴されたのはファイン社、DNPミクロテクニカ、日本ユニ・デバイスの3社と3社の社長・人事担当者。男性は2005年にユニ社に雇用され、09年1月末までファイン社の工場で働いていました。形式上は業務請負でしたが、男性はファイン社社員やユニ社社員らが入り交じる班に配属され、指示などはファイン社社員から受ける偽装請負の状態。ファイン社とユニ社の間にミクロ社が入る二重の偽装請負でした。ミクロ社の存在は男性に知らされませんでした。
代理人の竪(たて)十萌子弁護士は「大企業が漫然と違法状態を続けているのは許せない。違法な働かせ方をなくさねば貧困はなくならない」と指摘しました。
この問題で、埼玉労働局は09年6月、3社間の契約が適正な請負契約ではなかったと認定し、3社に指導票を交付。春日部労働基準監督署は男性からの告訴を受けて11月、ミクロ社社長を労働基準法6条(中間搾取の禁止)違反容疑で送検しています。男性は労働者の地位確認などを求めて3社に民事訴訟も起こしています。
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