2010年12月14日(火)「しんぶん赤旗」
造船撤退 神戸がピンチ
シンポ 三菱重工の責任問う
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三菱重工業が神戸造船所の商船建造から撤退すると表明した問題で、シンポジウム「造船・海運と地域社会」が12日、神戸市長田区で開かれました。
「神戸の造船を残そう連絡会」が呼びかけたもので、200人余が参加しました。
柴田悦子大阪市立大学名誉教授と日本共産党の穀田恵二衆院議員、金沢治美市議がパネル討論しました。
柴田氏は、船舶大型化のためのパナマ運河の拡張工事や国際貨物輸送量の増加と「国際物流をみる限り、造船の縮小はない。物の流れが多くなればなるほど船が必要」と強調。神戸港があらゆる船舶と多様な貨物に対応でき、「地域と結びつかなければ企業の発展はない。働く人たちの幸せが満たされることが大切」と語りました。
穀田氏は、大企業が工場閉鎖で非正規労働者の解雇をすすめ、下請けを切り捨てる一方、収益を回復してきたと批判。105年も続く三菱は神戸の街にとっても貴重な存在であり、市はさまざまな便宜をはかっており、ステイクホルダー(利害関係者)への事前説明を義務付けるなど雇用と地域経済を守るルールをつくらせ、「港神戸のありようがかかったたたかいだ」と訴えました。
金沢氏は、1980年代の川崎重工の撤退計画に当時の市長が動いて工場移転を縮小させた経験もあり、三菱に市長が強い姿勢で動くよう力を合わせたいと表明しました。
全日本造船機械労働組合(連合加盟)三菱重工支部の久村信政書記長が報告しました。