2010年12月27日(月)「しんぶん赤旗」
テロ現場教会でミサ
バグダッドのキリスト信徒ら
【カイロ=伴安弘】アルカイダ系のテロ組織に襲撃され68人が命を落としたイラクの首都バグダッドのキリスト教教会で25日、周辺で治安部隊が警戒する中、クリスマスのミサが行われました。報道によると、300人が集まりました。
イラクでは10月31日の教会襲撃後、同国北部などの安全な地域や国外に逃れる事態が加速。キリスト教教会はクリスマスを前に襲撃が繰り返されることを警戒し、24日には多くの教会でイブのミサを中止、サンタクロースが現れてクリスマスを祝うことも自粛されました。
この日襲撃の現場となったバグダッドの教会ではマトウカ大司教が「いかに激しく嵐が襲おうとも、愛はわれわれを救う」と語りました。信徒の一人は「私はこの国を愛しています。両親もここに葬られています。離れるわけにはいきません」と語っていました。
教会の壁にはなお生々しい銃弾の跡が残り、ステンドグラスの一部はプラスチックの板でふさがれ、襲撃の激しさを物語っています。しかし、祭壇には数人の子どもを含む多くの犠牲者の写真が花とともに飾られました。
イラク南部バスラの教会でもミサが行われました。イラクのマリキ首相は25日、ウェブサイトに声明を発表し、キリスト教徒を故郷から追い出そうという企ては国の統一に対する重大な犯罪だと述べました。
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