2011年1月5日(水)「しんぶん赤旗」

暴力の犠牲、3605人に増

警官など死亡増え民間人は減

イラク


 【カイロ=伴安弘】イラク政府が1日明らかにしたところによると、2010年の暴力によるイラク人民間人と警察・治安関係者の死者数は合計で3605人に達し、09年の3481人より124人増えました。

 09年と10年の死者数は、08年の6798人、07年の1万7956人より大幅に減りましたが、今回の発表は、なお多くの人が犠牲になっていることを示しています。

 このうち、10年の民間人死者数は2505人で、09年の2800人より、295人減りました。一方で警察・治安関係者は前年より419人増えました。これは、これまで治安維持にあたっていた米軍戦闘部隊が昨年8月末に撤退し、米軍が主要任務をイラク軍の訓練に移しているためとみられます。

 米軍は3日、イラク中部で2日夜に米軍兵士2人が殺害されたと発表しました。米軍兵士の死亡は今年初めてとなります。

 非政府組織イラク・ボディ・カウントは昨年12月30日、同月25日までの1年間の暴力によるイラク民間人の死者が3976人で、前年同期の4680人より704人減り、03年の米国主導のイラク侵攻以来最も少なかったと発表していました。





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