2011年1月6日(木)「しんぶん赤旗」
首相、TPP加盟 財界に約束
菅直人首相は5日、都内のホテルで日本経団連など財界3団体が主催した「新年祝賀パーティー」であいさつし、今年を環太平洋連携協定(TPP)加盟など貿易自由化推進の「開国元年にする」と約束しました。
菅氏は、日本経団連の米倉弘昌会長ら3団体の代表者を名指しして、「いま日本が明治と戦後に続く『開国』が必要であることをもっとも実感されているのがみなさん方だ」と発言。「TPPをはじめとする貿易自由化について、農業の改革など課題があるが、こうした課題を乗り越えて突き進むことなく日本の再生はない。そういう思いでがんばりぬきたい」と表明しました。
また、4日の年頭記者会見で表明した社会保障財源確保を口実とする消費税増税を含む「財源のあり方」にも言及。自公両党など消費税増税推進政党の出席議員らに向かって、「だれが政権を担おうとしてもこの問題を避けて通るわけにはいかない。ぜひとも年初に、時間を待たずして、与野党間での議論が始められるようご協力を」と呼びかけました。
菅氏は、「不条理を正す政治」に言及しながら、大企業の巨額の内部留保や大量首切りなどは批判せず、「努力して稼いだお金をため込むのではなく、思い切って国内に投資し、有能な人材をどんどん雇用して、優秀な人にはどんどん給料を増やしていく、攻めの経営を心からお願い申し上げる」などと、財界への“お願い”に徹しました。