2011年1月8日(土)「しんぶん赤旗」
月1万円賃上げ可能
大企業内部留保3%分
国公労連試算
日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)は、大企業の内部留保(連結ベース)のごく一部を取り崩すことによって、全労連がいま春闘で要求している月1万円の賃上げと、雇用増が可能になるという試算をまとめました。内部留保の活用を求める声が広がっています。
試算は、全労連・労働総研の調査をもとに、主要企業144社と持ち株会社142社の内部留保の活用について調べたもの。
内部留保の3%以下を取り崩すだけで正規・非正規雇用労働者に月1万円の賃上げを実施できる主要企業は、120社にのぼります。
雇用(年収300万円、1年間の雇用)について見ると、内部留保の1%を使うだけで1000人を超える新たな雇用をつくりだすことができる主要企業は、87社ありました。
主要企業のうちトヨタ自動車の内部留保は13兆2756億円。この0・49%を使っただけで、正規・非正規を合わせた労働者約38万人に月1万円の賃上げが実現します。また、1%を取り崩せば、4万4千人を超える労働者を新たに雇用できます。
民間企業労働者の年間平均賃金は1997年から2009年にかけて62万円以上も下がる一方、大企業の内部留保は142兆円から244兆円に激増。これが日本経済の成長を止める原因となっています。経済の健全な成長のために、内部留保を賃上げと雇用確保に活用すべきだとの主張が財界系シンクタンクからも出るほどです。
これにたいし日本経団連は、近く春闘方針として出す「経営労働政策委員会報告」で連合が要求している1%アップを拒否する方針をもり込むと伝えられ、国民の要求に背を向けつづけています。
(注)三菱UFJ=三菱UFJフィナンシャルグループ、三井住友=三井住友フィナンシャルグループ、みずほ=みずほフィナンシャルグループ、日本電信電話の4社はいずれも持ち株会社です。
(国公労連の内部留保活用による雇用増、賃上げ試算から)
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