2011年1月8日(土)「しんぶん赤旗」
「日米共通戦略」見直し
外相会談 「周辺事態」の協力強化
【ワシントン=西村央】前原誠司外相は6日午後(日本時間7日未明)、クリントン米国務長官とワシントンで会談し、今春にも予定されている日米首脳会談で発表を目指す21世紀の「日米同盟のビジョン」の骨格を協議しました。
このなかで両氏は、2005年2月の「共通の戦略目標」を「見直し・再確認」することで合意しました。日本防衛とは無縁のアジア地域での紛争に日本を動員する「周辺事態」での対応について、自衛隊と米軍の軍事協力で協議を加速させる方針でも一致しました。
現在の共通戦略目標では、「対テロ」や北朝鮮の核・ミサイル問題や中国の軍拡への対応などを明記しています。今後は、05年以降の北朝鮮の核実験・弾道ミサイル発射や、中国の海洋進出の動きなどを受けて、より北東アジアへの軍事対応に重心を移す方針です。
沖縄県宜野湾市の米軍普天間基地「移設」問題では、前原外相は共同記者会見で「沖縄の理解を得つつ進める」としつつ、「昨年5月の日米合意に沿って実施する方針に変わりはない」と述べ、同県名護市辺野古への「移設」方針を強調しました。クリントン長官も、「米国は安全保障上の根本となる重要問題に引き続きとりくむが、普天間はその一部である」と述べ、日米合意推進を改めて求めました。
北朝鮮の核問題で前原外相は「北朝鮮が(非核化に向けた)具体的行動をとれば、中国提案の6カ国協議をこばむ必要はない」との見解を示しました。
経済問題では、米側から環太平洋連携協定(TPP)協議をすすめることでの要求があり、日本側からは鉄道分野での協力などを提示しました。