2011年1月13日(木)「しんぶん赤旗」
菅首相 雇用の打開策示さぬまま
“行動は間違っていなかった”
批判に執行部は“防戦一本やり”
菅直人首相は12日の民主党両院議員総会で、首相就任後の7カ月間や政権交代後の1年余を振り返り、「行動は大きくみて間違っていなかったと自信をもって国民にいえる」などと語りました。
菅氏が「例えば」と真っ先に挙げた根拠は「今日の株価」。「1万円を少し超えた。心配された経済の二番底の懸念は何とか払拭(ふっしょく)されている」と述べたのです。
首相は、「雇用情勢やいろんな情勢、まだまだ大変な状況にはある」と付け加えはしましたが、完全失業率(昨年11月)が5%を超えるなど雇用悪化が続く現状にも触れず、打開策についても「雇用と成長を軸にして予算案を組み上げることができた」などと強調しただけでした。
消費税増税や米国主導の環太平洋連携協定(TPP)加盟検討などを唐突に打ち出してきた菅首相に対し、議員らの発言は、「著しく、いまわれわれは国民からの信頼を失っている」(斎藤恭紀衆院議員)など辛らつでした。
一方、執行部からは「われわれが代表選挙で選んだ菅代表、菅総理のもとで、みんなが一つになっていくことを国民は期待している」「菅総理のもとで、一人ひとりが自覚をもって協力を」(岡田克也幹事長)などと、菅体制維持のための“防戦一本やり”となりました。