2011年1月13日(木)「しんぶん赤旗」

魚礁設置偏重から藻場干潟造成へ転換

紙議員の質問主意書受け


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(写真)紙智子参院議員

 水産庁は12日、沿岸漁業振興策の見直しを求めてきた日本共産党の紙智子参院議員に対して、魚礁設置に偏重した水産基盤整備から藻場干潟の造成へと予算上で転換したことを明らかにしました。

 紙氏は2010年5月6日、沿岸漁業振興策の見直しの必要性に関する質問主意書を提出。このなかで、日本の沿岸漁業の漁獲量が1988年の211万トンから2008年には131万トンへと減少し、日本周辺水域の漁業資源も23魚種で資源状態が低位にあると判定されていることを指摘。日本の沿岸漁業振興策が成功していないとして、魚礁設置事業や増養殖造成事業などを柱とした現行の沿岸漁業振興策を見直すよう要求しました。

 さらに藻場が94年から98年にかけて5万8000ヘクタール余も減少しているにもかかわらず、藻場の造成が年1300ヘクタールにすぎないことを明らかにし、藻場造成の抜本強化を求めていました。

 今回、水産庁は、「我が国周辺水域の主な水産資源の半数程度が低位水準」「藻場干潟の減少や磯焼け等による生産力低下のため、水産動植物の生育環境の悪化が進行」と現状を認めました。その上で、「現行の整備手法による限定的な整備では、漁場環境の早急な改善を達成することは困難」として、「水産生物の動態、生活史に対応した良好な生息環境を創出」するために藻場干潟の整備を含めた水産環境整備事業(94億9700万円)を展開することを明らかにしました。





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