2011年1月20日(木)「しんぶん赤旗」

農民連第19回大会での市田書記局長あいさつ


 日本共産党の市田忠義書記局長が19日、農民連第19回大会でおこなったあいさつは次のとおりです。


写真

(写真)来賓あいさつをする市田忠義書記局長=19日、東京都大田区

 全国から大会にご参加のみなさん。日本共産党を代表して、農民連第19回定期大会に心からの連帯のあいさつをおくります。

いま農民連は出番中の出番

 みなさんが農民連を結成されて20年あまりになります。その間、「ものをつくってこそ農民」「安全な食料は日本の大地から」のスローガンのもと、国内生産を維持・発展させ、消費者・国民との共同の取り組みをすすめ、日本農業の自主的発展と食糧主権の確立、農民経営、地域社会を守る活動などでたいへん大きな役割を果たしてこられました。そのことにまず、心から敬意を表するものであります。

 また、小規模農家の切り捨て、米価の大暴落になんら手だてを講じない民主党政権、あるいは口蹄疫(こうていえき)や鳥インフルエンザの発生などによる被害にたいし、現場からの要求を結集し、幅広い農業団体のみなさんとも協力して、過剰米の買い入れなど、国内生産と農家経営をまもる成果をあげてこられました。まさに「農民連があってよかった」と言える活動ぶりだったと思います。そしていま、日本農業と農民をとりまく情勢は、それこそ農民連の出番中の出番であります。

民主党政権は「自民党返り」

 一昨年夏、国民は、それまでの自公政治にノーの審判をつきつけ、政権の座から引きずりおろしました。ところが、かわって登場した民主党政権は、国民の期待に応えるどころか、外交でも内政でも「自民党返り」の道をすすんできました。とりわけ菅内閣になってその道はいよいよ露骨であります。普天間基地の「辺野古移設」の強行、日米同盟の「深化」、法人税の減税に続いて、先日発足したばかりの改造内閣では、消費税増税とTPP(環太平洋連携協定)参加推進という、文字通り日米財界の要求に全面的に応える布陣をしいて、あからさまに国民にたいして挑戦してまいりました。

農産物輸入は「開かれすぎ」

 TPPは、米・麦・乳製品など、関税を全面的に撤廃するだけではありません。食の安全基準や原産地表示、農林水産物の規格、医療や雇用、政府調達をめぐる規制なども非関税障壁として撤廃・緩和されます。一部の輸出大企業の利益のために、国民の健康や地域経済、国土・環境、国民の暮らしが犠牲にされていいはずがありません。

 菅首相は「平成の開国」などといいますが、日本の農産物輸入の平均関税は12%とアメリカについで低く、すでに「開かれすぎ」の国になっています。

 また、参加しなければ、「バスに乗り遅れる」などと脅しますが、中国、韓国、フィリピン、タイ、インドネシアなど、どこも乗ろうとしないのです(笑い)。バスはガラガラなのです。全国で地域ぐるみの共同もすすんでいます。それには、農民連のみなさんの機敏な活動が大きな力になってきました。

一斉地方選挙の一大争点に

 日本共産党は、間近に迫ったいっせい地方選挙にむけて、TPP参加反対の声を大きく広げるとともに、日本農業の再生と食料自給率の向上を国政の重要課題に位置づけたアピールを発表しました。菅内閣が6月をメドに参加方針をきめようとしているもとで、これを、いっせい地方選挙の一大争点にして、TPP賛成議員はひとりも当選させないよう、みなさん、がんばろうじゃありませんか。(拍手)

 農民連の大会決議案には「1989年の結成時に、日本農業の根底を揺さぶる決定的局面で、“日本の農民運動が団結して国民と共にたたかったのか”という痛恨の反省を踏まえ、農民運動の全国センターとしてスタート」したと記述されています。

輝きを増す農民連の原点

 いま菅内閣が、6月にもTPP参加の結論をだすことを公言しているとき、この農民連設立の原点が改めて輝きを放つときだと確信します。

 第19回大会の成功を祈念するとともに、TPP参加の断固阻止、農民経営の民主的発展をめざすみなさんの要求実現、閉塞(へいそく)状況を打開し、国民が求める新しい政治への展望をつくりだすために、みなさんとご一緒にたたかう決意を表明し、ごあいさつとします。ごいっしょにがんばりましょう。(拍手)





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