2011年1月23日(日)「しんぶん赤旗」

TPP参加反対・慎重意見書

31道県議会に広がる 本紙集計

市町村議会では980超


 例外品目なしに100%の貿易自由化をめざす環太平洋連携協定(TPP)への参加を計画している菅内閣に対して、「参加に反対」「慎重な対応を求める」意見書が31道県議会で可決されていることが、本紙のまとめでわかりました。市町村議会での意見書の可決は980自治体を超えています。


 本紙が各地方総局のネットワークを通じて都道府県ごとに意見書の可決状況を調べたところ、昨年11月から12月にかけて、全国の議会でいっせいに意見書が可決されています。各地のJAや農民運動全国連合会、市民団体がそれぞれの議会に働きかけ、日本共産党議員団や各会派の賛成で実現しています。

 宮崎では、県議会と26市町村議会のすべてが「反対」「慎重」の意見書を可決。県議会の意見書は「口蹄疫(こうていえき)からの復興が緒に就いたばかりの中にあっては尚更(なおさら)」と強調しています。滋賀でも県議会と19市町議会すべてで意見書を可決し、県議会の反対意見書には民主党会派だけが反対しました。沖縄でも県議会と沖縄市を除く40市町村議会すべてが意見書を可決。サトウキビ、肉用牛、パイナップル、養豚など基幹作物が壊滅的打撃を受けることを共通して指摘しています。

 北海道では、道議会に加え31市・129町・14村議会が「反対」の意見書を、1市1村が「慎重」の意見書を、それぞれ可決。意見書を可決していないのは3市だけになりました。宮城は、県議会と34市町村議会で意見書を可決し、残る自治体は1町です。

反対・慎重意見書を可決した道県議会

 北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、神奈川、富山、石川、福井、長野、静岡、滋賀、兵庫、和歌山、鳥取、島根、岡山、山口、徳島、香川、愛媛、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄


民主党 各地で妨害

 「交渉への参加は断じて行わないこと」とした滋賀県議会の意見書には民主党会派だけが反対。「慎重な検討を求める」とした石川県議会の意見書は、民主党系会派の抵抗で「不参加」の文言が削除されました。

 三重県議会では、日本共産党と自民党が「TPP参加に慎重な対応を求める意見書」を共同提案。民主系会派がTPP参加を求める立場から「第1次産業のいっそうの構造改革を求める意見書」を提出し、いずれも否決されました。

 茨城県議会は参加協議を前提にした意見書を自民・民主・公明・みんなの党などの賛成多数で可決、日本共産党は反対しました。広島県議会でも「国民的合意を得るための努力」を求めた意見書を可決、共産党は反対しました。岐阜県議会でも参加を前提とした意見書だったため、共産党は反対しました。

 京都府議会は「農業振興に関する意見書」を全会一致で可決、TPP協議開始について「農業と農村が大きな打撃を受け、我が国農業への不安の声があがっている」とのべています。日本共産党が提案した「参加反対」の意見書案は否決されました。





もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp