2011年1月23日(日)「しんぶん赤旗」
B型肝炎 原告、和解案を受諾
全員一致 「苦渋の選択」
|
全国B型肝炎訴訟原告団は22日、東京都内で代議員総会を開き、札幌地裁(石橋俊一裁判長)が今月11日に示した「和解所見」を受諾することを29人の全員一致で決定しました。
集団予防接種でB型肝炎ウイルスに感染したとして、630人の患者や遺族が国に損害賠償を求め、全国10地裁に提訴しています。
記者会見した全国原告団代表の谷口三枝子さん(61)は「まだまだこれからです。心からの謝罪、恒久対策など運動を強めていきます」と発言。国が財源に増税をほのめかしていることを、「『おまえたちの賠償のために増税だ』というのはあんまりだ。二重、三重に私たちを苦しめるもの」と批判しました。
北海道訴訟原告代表の高橋朋己さん(57)は「原告630人の病状や訴訟への思い入れも違う。苦渋の選択だ」といいます。広島訴訟原告の男性(60)は「課題もあるがいてついていた心が解けました」と喜びました。大阪訴訟の女性(58)は「夫以外の家族4人が被害者です。国は心から謝罪してほしい」と声を震わせました。
札幌地裁の所見の示した「基本合意書案」は、患者の症状に応じ3600万円〜1250万円、未発症のキャリアーに50万円の支給を国に対し求める内容。争点となっていた予防接種を受けたかどうかの立証は、母子手帳や接種台帳のない場合は家族などの陳述書の提出で個別に判断すると全員救済に道を開くものとなっていました。
■関連キーワード