2011年1月23日(日)「しんぶん赤旗」

国際的枠組みへ向け前進

気候ネット COP16報告会開く


 2020年までに国内の温室効果ガス排出量の25%(1990年比)削減を明記した地球温暖化対策基本法の成立などを求めて、メキシコ・カンクンで昨年開催された国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)の報告会が21日夜、京都市内で開かれました。

 環境市民団体の気候ネットワークが主催したもので、温暖化問題にとりくむ市民団体のメンバーや専門家が参加しました。

 同会議に参加した高村ゆかり龍谷大学法学部教授、平田仁子気候ネットワーク東京事務所長らが、「カンクン合意」の内容と、日本政府や日本経団連が主張する「京都議定書延長反対」の問題点を報告しました。

 高村氏は、カンクン合意について平均気温の上昇を2度未満に抑える目標と、先進国だけでなく途上国も削減行動をとる合意など「すべての主要国が参加する国際枠組みに向けた大きな前進」と指摘。今年12月のCOP17に向け、2013年以降の先進国の削減目標がどうなるか不透明で、京都議定書の行く末ともかかわる大きな争点になるだろうと指摘しました。

 平田氏は、カンクン合意を踏まえ日本政府に求められることとして、▽京都議定書の13年以降の第2約束期間への参加姿勢への転換▽国内の地球温暖化対策基本法案の成立▽国内での大規模排出源への実効ある削減制度の導入などを指摘。政府の「京都議定書延長反対」という態度は「経済界の強い働きかけのもとで法的拘束力ある総量規制義務づけの国際協定を自主的枠組みに戻したい意図からだ」と批判しました。





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