2011年2月1日(火)「しんぶん赤旗」
小沢元代表 強制起訴
4億円虚偽記載
検察審議決受け指定弁護士
民主党の小沢一郎元代表(68)の資金管理団体「陸山会」の政治資金収支報告書虚偽記載事件で、東京第5検察審査会の起訴議決を受けて選任された検察官役の指定弁護士は31日、政治資金規正法違反罪で小沢氏を強制起訴しました。
市民参加による検察審査会を経ての強制起訴は兵庫県明石市の歩道橋事故、JR福知山線脱線事故などに続く4例目。国会議員の強制起訴は初めて。自民党時代から建設業界などから集めた巨額の政治資金で影響力を強めてきた小沢氏の刑事責任が問われることになりました。
起訴状によると、小沢元代表は、衆院議員石川知裕被告(37)ら元秘書と共謀し、2004年10月に陸山会が東京都世田谷区の土地を購入する前に小沢元代表から借り入れて同会の口座に入金した4億円を、同年分の収支報告書に収入として記載しなかったとされます。また、土地購入費約3億5000万円の支払いを同年分ではなく、05年分の収支報告書に記載したとされます。
石川被告と元私設秘書池田光智被告(33)は捜査段階で「小沢元代表に虚偽記載を報告し、了承された」と供述。小沢元代表は東京地検特捜部の4回にわたる聴取に「収支報告書を提出前に確認せず、担当者が真実を記載していると信じて了承した」などとして関与を否定してきました。
これに対し、第5検察審は小沢元代表を起訴すべきだとした昨年9月の議決で、石川、池田両被告の供述の信用性を認定する一方、小沢元代表の説明について「著しく不合理で信用できない」と指摘しました。
小沢氏は、土地購入の原資について、説明が二転三転しましたが、億単位のカネをどう調達したのか、ゼネコンの裏献金ではないのかなど、徹底的な解明が求められています。
強制起訴 検察の不起訴処分に、市民11人で構成する検察審査会で2度にわたって、「起訴相当」と議決した場合、法的強制力を持つ「強制起訴」となります。起訴は、裁判所が選んだ検察官役の指定弁護士が行い、公判で起訴内容を立証し、判決確定まで公判を担当します。小沢氏の事件では、3人の弁護士が選任されています。
「やましいこと 何一つない」
小沢氏居直り会見
民主党の小沢元代表は31日、国会内で記者会見し、「何一つ私自身やましいことはない」「裁判において、私が無実であることはおのずと明らかになる」などと述べ、離党や議員辞職の考えがないことを強調しました。