2011年2月4日(金)「しんぶん赤旗」
B型肝炎訴訟
発症20年超も救済を
原告団宣伝「患者切り捨てるな」
幼児期の集団予防接種における注射器の使い回しでB型肝炎ウイルスに感染させられた被害者が国に損害賠償を求めた訴訟で、全国原告団・弁護団は3日、全面解決を求めて、首相官邸前で宣伝し、国会内で集会を開きました。
これは、慢性肝炎患者で発症から20年が過ぎて、賠償請求権が消滅する除斥期間の問題が未解決であるために行ったもの。
広島訴訟の原告の女性(58)は長男の妊娠時の検査で感染を知りました。1983年1月体調を崩して検査。慢性肝炎と診断されました。除斥期間の問題で救済されない可能性があります。
女性原告は「多くの差別を受けてきました。病気とたたかわなければなりませんでした。肝硬変、肝がんに進行するのではないかと不安です。今日一日一日をいかに生きるかを考えて生きています。長く苦しんだ私たちが救済されないのはおかしい」と訴えました。
慢性肝炎患者で大阪訴訟の20代の女性原告は「親や兄弟誰一人感染者はいません。母は『守ってあげられなくってごめんな。ごめんな』と私に頭を下げました。母の姿に衝撃をうけ涙が止まりませんでした。慢性肝炎被害者の切り捨ては受け入れられません」と、泣きながら訴えました。
参加者は、札幌地裁の所見を基にした「B型肝炎被害者救済法」(仮称)の制定を求めて各政党、国会議員への要請活動にも取り組みました。
日本共産党の高橋ちづ子衆院議員、田村智子、紙智子両参院議員が激励しました。
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