2011年2月5日(土)「しんぶん赤旗」
世界の食料暴騰 国連機関発表
砂糖・穀物・食用油 08年危機時上回る
国連食糧農業機関(FAO)は3日、1月の世界の食料価格指数が230・7となり、統計を取り始めた1990年以降の最高を記録したことを明らかにしました。同指数の上昇は7カ月連続で、この間の価格上昇は37・2%に達し、特に砂糖、穀物、食用油の価格が上昇しています。
FAOは、今後数カ月間は下落しないと予測しています。
1月の指数は前月(改定値)から7・6ポイント上昇し、世界的な食料危機とされた2008年6月の224・1を上回りました。FAOは、食料価格指数は食肉価格指数で改定を行っていますが、価格上昇の傾向は変化しないとしています。
同指数は小麦、トウモロコシ、コメ、油糧種子、乳製品、砂糖および食肉の55品目の国際価格(02〜04年)を100としたもの。1月には、食肉指数を除き、すべて上昇しました。昨年ロシアやアルゼンチンで続いた干ばつや各地の洪水などで穀物の収穫量が減ったことと、新興経済国での需要の伸びを反映したものです。
食料価格の上昇は、ベンアリ政権を倒した先月のチュニジアの抗議デモの一因ともなり、エジプトなど中東諸国でも抗議行動が続いています。
指数を発表したFAO専門官のアブドルレザ・アブバシアン氏は、「食料価格上昇の圧力は続いている。高価格は数カ月続く見込みだ」と語りました。
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