2011年2月8日(火)「しんぶん赤旗」
小沢「陸山会」事件 初公判
水谷建設の裏献金指摘
「虚偽記載で露見回避」
検察冒頭陳述
民主党元代表の小沢一郎被告(68)の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金規正法違反の罪(虚偽記載)に問われた衆院議員石川知裕被告(37)ら元秘書3人の初公判が7日、東京地裁(登石郁朗裁判長)で開かれました。事件の背景に小沢被告と公共事業受注企業との癒着があることが明らかにされ、同罪で強制起訴された小沢被告の公判とともに注目されます。
計1億円 「ダム受注の謝礼」
検察側は冒頭陳述で、「石川被告らが小沢事務所における公共工事受注に関する建設業者からの謝礼金受領に関与していた」と指摘。土地購入をめぐる資金の流れについて、「収支報告書に記載することによって、原資が違法な資金ではないかと詮索・追及され、小沢事務所における収入の実態が露見するのを回避しようとした」と虚偽記載の動機を解明しました。
また、小沢被告からの4億円借り入れについて「公にしないため、仮装原資として小沢被告を経由して銀行から融資を受けた」とのべました。
注目された中堅ゼネコン「水谷建設」からの「裏献金」疑惑については、同社が小沢被告の地元の胆沢(いさわ)ダム建設工事を下請け受注した謝礼として、2004年9月ごろ、元公設第1秘書大久保隆規被告(49)から1億円の要求を受けたと指摘。同年10月15日(金曜日)、石川被告が、水谷建設側から現金5000万円を受領し、銀行の翌営業日に当たる同18日(月曜日)に同額を4億円の一部として入金しているとのべました。さらに05年4月19日には、大久保被告が5000万円を同社側から受け取ったとしました。
捜査段階で虚偽記載を認めた石川被告は、「(収支報告書の)虚偽記載との意識はなかった。水谷建設から現金を受け取った事実は断じてない」と無罪を主張しました。大久保被告は「虚偽の記入があったかどうかは知らなかった」と全面否認。元私設秘書池田光智被告(33)も「虚偽記載するつもりはなかった」と否認しました。
「陸山会」土地購入事件 民主党元代表の小沢一郎被告の資金管理団体「陸山会」が土地を購入した際、購入費を政治資金収支報告書に記載していなかったなどとして、東京地検特捜部は昨年、政治資金規正法違反容疑で石川知裕衆院議員ら小沢被告の元秘書3人を逮捕、起訴しました。小沢被告は嫌疑不十分で不起訴になりましたが、東京第5検察審査会は、小沢被告を起訴すべきだとする「起訴相当」を議決。2回目の議決でも起訴すべきだとしました。これを受け、検察官役の指定弁護士は先月31日、小沢元代表を強制起訴しました。
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