2011年2月15日(火)「しんぶん赤旗」
衆院予算委地方公聴会
TPPへ批判噴出
札幌 知事・農協・町長ら
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衆院予算委員会の地方公聴会が14日、札幌市で開かれました。菅直人首相が参加に意欲を示している環太平洋連携協定(TPP)について陳述人から「先行参加には反対」「受け入れられない」などの批判が噴出しました。陳述人4人のうち3人がTPP参加について言及し、いずれも反対や慎重な対応を求めました。
「21世紀の世界の食料は不足傾向にある。食料の輸出規制が起きれば、日本のような食料輸入国はとんでもないことになる。21世紀はお金を出せば食料が確保できる時代ではない」。北海道農業協同組合中央会の飛田稔章会長はTPP参加反対の理由としてこう警鐘を鳴らしました。
北良治・奈井江町長は「議論が“TPP参加ありき”のように唐突に出てきた感がある。農業にとどまることなく地域経済、社会そのものに甚大な影響が出る」と批判。奈井江町でも19億円の農業産出額が7億円になるとの試算を示し「壊滅に近い影響を受ける。TPPへの先行実施、先行参加は反対せざるを得ない」と述べました。
高橋はるみ・北海道知事は「米や小麦、主要な水産物などを関税撤廃の対象から除外するとともに、道民の合意がないまま関税撤廃を原則とするTPP協定に参加をしないようオール北海道で、国に対し強く要請を行っている」と語りました。
質疑で日本共産党の高橋ちづ子議員は、TPPへの対策として菅首相が推進する農業の大規模化について、これまでやってきた構造改革路線と変わりがなく、規模拡大したからといって輸出大国に勝てるはずはないという点ではもう答えはでているのではと質問。飛田会長は「(農地は)米国でも10倍、豪州では170倍だ。面積の面をとっても日本で農業をすることが非常に厳しい。ただ単に農業を拡大すればいいというのは違う」と答えました。
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