2011年2月16日(水)「しんぶん赤旗」

被爆地の声 発信しよう

核兵器禁止 新「国際署名」発表集会


 「核兵器全面禁止のアピール国際署名」の発表集会が15日昼、広島、長崎の両市で、夜には東京で、それぞれ開かれました。参加者からは、「一人でも多くの人に署名をしてもらおう」などの声が相次ぎました。


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(写真)熱気とやる気に燃えた新しい署名発表集会「広島」=15日、広島市内

広島“草の根で立ち上がる”

 広島市の爆心地に近いホテルで開かれた新署名発表集会「広島」には、これまで平和活動に取り組んできた労組、平和、民主団体から90人が参加。世界の構造変化に確信をもち、被爆地から新しい署名運動を歓迎して、やる気と熱気あふれた集会になりました。

 日本原水協の沢田昭二代表理事の主催者あいさつのあとに、安井正和新事務局長が新しい署名を発表し、賛同者も紹介しました。

 ひな壇には、広島にある二つの広島県原爆被害者団体協議会の理事長がそろい、それぞれ被爆者の立場から新しい署名運動の意義を語りました。

 坪井直理事長は、20歳のとき、爆心地から1キロのところで被爆し、大やけどを負いました。「人に助けられた、その恩返し」の半生を語りながら、「原水爆の恐ろしさを理解して、それぞれの場で力を発揮してほしい」とのべました。

 金子一士(かずし)理事長は、被爆体験とともに、町内会や区長、公民館など地域でコツコツすすめてきた地道な署名活動を紹介。「ことしも昨年に負けずにがんばっていきます」と話すと、会場から大きな拍手が起きました。

 来賓として、児童文学者の三浦精子さんと広島平和文化センター理事長のスティーブン・リーパーさんがあいさつ。リーパーさんは日本語で「早く、すぐ交渉しなさいという署名内容に異論はない。普通の人たち、草の根レベルが勝敗をわける。みんなで立ちあがっていこう」と呼びかけました、

 新日本婦人の会や青年、広島県労働組合総連合の代表が、新しい署名運動を推進する決意を表明しました。

長崎“若い人の力を集めて”

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(写真)新署名について報告する土田弥生・日本原水協事務局次長(右)=15日、長崎市

  長崎市で開かれた新署名発表集会「長崎」には、県内外から200人近くが参加しました。田上富久長崎市長がメッセージを寄せました。

 原水爆禁止長崎県協議会の片山明吉代表理事は、「1945年以降65年にわって核兵器の使用を許さなかったのは世界の世論の力です。核兵器廃絶は被爆者だけではなく市民の要求。核兵器廃絶へともに知恵と力を尽くそう」と呼びかけました。

 被爆者を代表してあいさつした谷口稜曄(すみてる)さんは、自身の被爆体験や、被爆者団体を結成し核兵器廃絶の運動に携わってきた歩みを振り返りながら、「今日こうして新しい署名が始まる。この署名で長崎の声、核兵器廃絶を求める声を発信していこう」と訴えました。

 核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員長の朝長(ともなが)万左男さん(日本赤十字社長崎原爆病院院長)は、核兵器廃絶を求める世論が世界に広がるなか、「大変大事な時期に被団協、原水協が新たな運動に取り組むのは時宜を得たものです。市民の運動を広げていこう」と語りました。

 高校生平和大使派遣委員会の平野伸人さんは、被爆2世として同級生が白血病で亡くなったことをきっかけに取り組んだ運動や「高校生1万人署名」など、若者の運動の歩みについて発言。「若い人の力を結集し、長崎の声、核兵器廃絶を求める声を世界に届けるため、皆さんとともに連帯していきます」と語ると、会場から大きな拍手が起きました。

 参加者からは、「一刻も早く街頭に出て、一人でも多くの人に署名してもらいたい」「日本を変えていく気概を持って取り組んでいこう」などの声があがりました。





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