2011年2月17日(木)「しんぶん赤旗」

緊急シンポジウム

TPP 消費者が問う

残留農薬規制壊される 金次第の医療に


 「TPP(環太平洋連携協定)は農業や地域経済破壊だけでなく、健康・生活を根幹から脅かす」――。全国の消費者団体などが呼びかけて16日に東京・参院議員会館で開かれた緊急シンポジウム「消費者が問うTPP=食の安全が危ない!」で、TPP参加の問題が報告され、菅民主党政権にTPP交渉への参加断念を求める決議を採択しました。


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(写真)食の安全が危ない!とTPP参加反対を訴える緊急シンポジウム=16日、東京・参院議員会館

 同シンポは日本消費者連盟、食の安全・監視市民委員会などが呼びかけたもので、農業者、医療関係者、食品メーカー関係者ら約170人が参加。医療現場でのTPP参加の問題点を報告した全日本民主医療機関連合会の湯浅健夫事務局次長は「公的医療保険制度の給付範囲が縮められ、お金がなければ患者が必要な医療を受けられない事態を一挙に拡大することになる。医療の非営利原則が崩され、医療・介護の分野の崩壊といっていいような事態を招く」と訴えました。

 さまざまな分野から問題点が報告され、関税ゼロによる国内農業への深刻な影響や、すべての貿易障壁の撤廃で残留農薬や食品添加物、遺伝子組み換え作物・食品などの安全規制が破壊されると警鐘を鳴らしました。

 採択された決議は(交渉参加について)「愚かな選択」と強く批判。「日本の農業をつぶすのみならず、非関税障壁とされた各種規制撤廃は食の安全規制をなし崩しにし、私たちの健康を脅かす」と訴え、TPP交渉への参加反対をアピールしました。





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