2011年2月17日(木)「しんぶん赤旗」
全国B型肝炎訴訟 原告ら国会行動
発症20年超すと救済しないのは不正義
被害者切り捨てるな
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全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団は16日、東京・永田町の首相官邸前での宣伝と国会内での集会を開き早期全面解決を訴えました。
1月に札幌地裁は「和解所見」を示し、回答期限の2月15日に原告と被告の国が受諾することを表明したものの、未解決の問題があることから緊急行動に取り組んだもの。
院内集会で全国弁護団代表の佐藤哲之弁護士が「残された課題」について報告。(1)慢性肝炎を発症して20年を経過した被害者の損害賠償請求権が消滅する除斥期間の問題を持ち出して救済に差別を持ち込もうとしている(2)二次感染被害者の全員救済実現(3)責任の明確化と謝罪(4)再発防止と恒久対策―などの課題が残されていることを指摘しました。佐藤弁護士は「19年は救済し、20年を過ぎると救済しないというのは著しく正義と公正に欠ける」とのべて全員救済の必要性を強調しました。
慢性肝炎を発症して20年を経過した広島訴訟の女性原告(57)は、「ずっと感染していることを知らずに病気とたたかい、家族にも疎まれてきました。長男を道連れに自殺を考えたこともありました。肝がんになるのではないかなどと、不安の中で生き続けなければなりません。どうして切り捨てられるのですか」と、涙で訴えました。
原告団・弁護団は、ハンセン病国賠訴訟や薬害肝炎訴訟が救済法などの立法措置によって除斥期間の問題を解決した前例に則して、同様の解決を求めています。
日本共産党の高橋ちづ子衆院議員が「いろんな場でこの問題を取り上げることが大切です。国会で取り上げたい」とあいさつしました。