2011年2月19日(土)「しんぶん赤旗」
TPPは「第3の構造改革」
日本経済に深刻な影響
参考人質疑 笠井議員に萩原氏
衆院予算委
|
衆院予算委員会は18日、環太平洋連携協定(TPP)について参考人質疑をおこないました。意見陳述をした横浜国立大学大学院の萩原伸次郎教授は、「TPPは『第三の構造改革』だ」と主張。米国の「外国貿易障壁報告書」を取り上げ、米国がTPPで日本に求めているのは農業、医療の自由化と郵政民営化だとのべました。
萩原氏は、TPP参加にあわせて、(1)農業への企業参入と農地所有(2)医療の自由化と保険制度改革(3)郵政民営化―がすすめられようとしているとのべ、「日米の共同戦略が実行される」と強調しました。
早稲田大学の堀口健治教授は、TPPによる関税撤廃によって国内農業や雇用が大打撃を受けることを示し、「輸入農産物との価格差を補てんする財政負担は想像できないくらい大きく、難しい」と指摘しました。
日本経団連の久保田政一専務理事は、参加しないと「国際競争力を失う」と大企業の利益を主張し、TPPへの「早い段階からの参加」を求めました。
日本共産党の笠井亮議員は、TPPをすすめるアメリカの通商政策の変化の背景と、日本経済に与える影響を質問。
萩原氏は従来の通商政策が破綻した米国がアジア市場に食い込む狙いがあり、日本の菅政権を抱き込むという戦略によるものだと指摘。「あらゆる関税障壁を撤廃させるTPPがさまざまな製品の安売り競争を招く。企業数の約99%、従業員数は国民の7割を占める中小企業への影響は大きく、日本経済に深刻な影響を与える」と答えました。
■関連キーワード