2011年2月19日(土)「しんぶん赤旗」
一括交付金の懸念次々
地方財政抑制なら問題
参考人質疑で塩川議員質問
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衆院予算委員会は18日、地方自治について参考人質疑を行いました。
来年度予算に盛り込まれた一括交付金について慶応義塾大学の井手英策准教授は「予算の削減を目的として総額を抑制するためだけに一括交付金化を行うなら大変な問題となってくる」と述べました。また千葉県野田市の根本崇市長も「一番の心配は、補助金と交付税の削減。いまのままでは削減のために使われていると思う」と指摘しました。
質疑に立った日本共産党の塩川鉄也議員は、一括交付金化が総枠を抑制する目的をもつのであれば、財政運営戦略の「国は地方財政の自主的かつ安定的な運営に配慮し、地方公共団体に負担転嫁するような施策を行ってはならない」との地方への約束に反するのではないかと問いました。
これに対して井手氏は「限られた財源でパイを奪い合えば、どこかにしわ寄せが来る。全体のパイを増やす議論を他方でやりながら、どこに配分するかの議論が大切」と語りました。
塩川氏は、日本共産党が公契約法と公契約条例を求めていることを挙げながら考えを尋ねました。全国初の公契約条例を制定した根本氏は「適正な単価は国である程度決めてもらわないといけない」と答え、大阪府池田市の倉田薫市長は「一定のルールを構築する必要がある。国がまず範を示していただけるとありがたい」と語りました。
また塩川氏は、片山善博総務相が民間委託である指定管理者制度の運用改善通知を出したことに関して抜本的改善が必要だと提起。根本氏は「募集要項に条件をつけ最低賃金を決めている。官製ワーキングプアはつくりたくないと思っている」と答えました。