2011年2月21日(月)「しんぶん赤旗」

主張

小沢元代表「処分」

国会での責任追及は免れない


 政治資金規正法違反で強制起訴された小沢一郎元代表の党員資格を停止する民主党内での「処分」が週明けにも大詰めを迎えます。処分に抵抗する小沢氏に近い議員らの動きも活発化しています。

 党内での「処分」は民主党の“自浄能力”に関わるものですが、小沢氏の問題は党内ですむものではありません。小沢氏が国会議員として国会の公式の場で疑惑にこたえ、政治的道義的責任を明らかにすることは、あいまいにできない大問題です。

議員であれば説明は義務

 小沢氏に関わる疑惑は、自らの資金管理団体「陸山会」の4億円もの土地購入に絡んで、政治資金規正法で義務付けられている収支報告書を偽ったというものです。政治資金を公開し不断の「監視」と「批判」を受けるという趣旨に照らして軽視できない問題です。国会議員には疑惑を抱かれた場合、自らそれにこたえることも、政治倫理綱領で定められています。

 しかも土地購入資金の出所は、公共事業を受注させたゼネコンからの闇献金ではなかったのかという税金の“還流”疑惑も明らかになっています。疑惑を徹底的に糾明して再発防止の手だてをとることは、国の財政の使い道を決める国会として重要な問題です。

 もともと小沢氏の土地購入に絡む政治資金規正法違反の疑惑が発覚し、3人の元秘書が逮捕されたのが1年以上前です。小沢氏は、発覚以来一度も国会の公式の場で説明したことがありません。当時民主党の幹事長だった小沢氏は昨年の参院選直前、同じように政治資金をめぐる疑惑で追及された当時の鳩山由紀夫首相とともに辞任しましたが、小沢氏が党内の役職を退いたことと国会議員としての責任を果たすことは無関係です。

 小沢氏に国会での説明責任を果たすよう求めることは、昨年来の国会の課題となっています。ところが民主党が密室の場である政治倫理審査会にこだわったため、実現していません。しかも小沢氏は強制起訴を理由に政倫審への出席さえ拒否しました。すでに通常国会の開幕からでも1カ月もたちます。民主党が決断し国会で決議すれば証言を求めることができます。事実を偽れば偽証罪で罰則も科すことができる証人としての喚問が一刻も早く実現されるべきです。

 小沢氏は強制起訴され裁判を受けることを国会で説明しない理由にあげますが、司法の場での追及と、「国権の最高機関」である国会で自らの責任を果たすことが別の問題であるのは、議論の余地のない事実です。司法の場での追及だけで、国会が疑惑の解明と政治的道義的責任をたださなければ、それこそ、反対した党と国会自身の責任が問われることになります。

企業献金禁止してこそ

 菅直人首相は通常国会冒頭の施政方針演説などで「不条理を正す」といいました。そのことばが本当なら、小沢氏の証人喚問を実現する、民主党執行部と菅首相の責任はいよいよ重大です。小沢氏が拒否しているなどという、“小沢氏任せ”はもう通用しません。

 小沢氏についてこれまでのゼネコンからの裏献金など、疑惑を徹底的に明らかにすることが重要です。そのうえで腐敗の温床となっている企業・団体献金を直ちに中止する措置をとるかどうか、民主党の責任がいよいよ問われます。





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