2011年2月24日(木)「しんぶん赤旗」
原爆症東京第3次訴訟が結審
全員認定してほしい
東京都内に在住する広島、長崎の被爆者が病気を原爆放射線によるものと認めてほしいと国を訴えた原爆症認定集団訴訟(第3次24人、八木一洋裁判長)の最終弁論が23日、東京地裁で開かれ、同日、結審しました。判決は5月31日です。
東京の第3次原告のうち、8人が厚生労働省の新しい認定基準で認定され、16人が未認定となっています。
陳述した未認定原告の畑谷由江さん(73)は、被爆後さまざまな病気で苦しみ、不安の中で生きてきたとのべ、「昨年末、一緒にたたかってきた原告が亡くなり大きなショックを受けました。私も命の保障はありません。全員を認定してほしい」と訴えました。
原告側弁護団は、被告の国が基準改定後も被爆者を切り捨てる姿勢を変えていないと批判。最近の調査で、原爆がより広範囲で深刻な被害をもたらしたことが明らかになったことを示しました。
結審後、都内で報告集会が開かれ、原告の神戸美和子さん(72)が、「みなさんに支えられながら、もっと頑張りたい」とあいさつ。全国原告団の山本英典団長は「判決を全員勝訴で迎えられるよう、引き続き運動しよう」と呼びかけました。
2003年に始まった全国の集団訴訟で結審していないのは大阪地裁だけとなりました。原告側弁護団によれば、同地裁での裁判も今年中に結審し、判決が出される見込みです。